多くの企業や組織が直面している問題の根本は、目的の不明確さと手段の優先、そしてROIを無視した施策の積み重ねにあります。
1. 総論を置き去りに各論ばかり
物事を進める際、全体の方向性や目的(総論)が明確になっていないと、個別の施策(各論)が積み重なっても成果につながりません。各論の積み上げだけで戦略的な整合性が取れなくなると、ROIの測定すら難しくなります。目的地を決めずに議論の空中戦を繰り広げても燃料切れで墜落してしまいます。
2. 目的を明確にせず手段ばかり取り揃える
「とりあえずDX」「とりあえずデータ活用」「とりあえず新規開拓」といった、手段を先に決めてしまうケースが多く見られます。しかし、本来の目的が曖昧なままでは、何のためにその施策を行うのか、どの指標で成果を測るのかが分からず、場当たり的な施策になってしまいます。
3. ROIを気にしない
企業活動の基本は、限られたリソースを最大限に活用して成果を生み出すことです。戦略的な意思決定では、投入するリソースに対する成果(ROI)を考えなければなりません。しかし、特に日本企業では、「慣習だから」「競合がやっているから」「上からの指示だから」といった理由で施策が実施され、ROIが不明瞭なまま予算だけが消費されるケースが多いと感じます。その結果、効果の不明確な施策に多額の予算が費やされることになります。
4. 戦術先行で戦略をかえりみない
「とにかく営業を増やそう」「広告を打とう」「SNSを活用しよう」といった戦術レベルの話が先行し、戦略的なターゲット設定や資源配分が後回しになるケースも多いです。戦略なき戦術は単なる消耗戦になり、成果につながりにくいのは言うまでもありません。
解決策:戦略 → 戦術 → ROI の順に考える
これらの問題を解決するには、「何を達成したいのか?」という目的を明確にし、その上で適切な戦略を立て、戦術を選択し、ROIを意識して評価・改善する というプロセスを徹底することが不可欠です。
結局のところ、戦略のない手段の積み重ねは、どれだけ頑張っても成果を生まない ということです。
あなたの組織は、手段ばかりに目を奪われていませんか?