S.I Lab 株式会社(Strategy Improvement Laboratory)

目指すのは「納得の設計」である

医療の意思決定は、正解が一つではありません。だからこそ、正解がないまま進むときには、納得の条件が必要になります。

  • どんな利益を期待し
  • どんなリスクを引き受け
  • そのリスクが誰に偏り得るかを事前に示し
  • もし偏りを減らせるなら減らし
  • 減らせないなら、監視と救済を設計する

これはトレードオフの否定ではなく、トレードオフを**“個人の倫理”へ翻訳する作業**です。私はこの翻訳を、因果の言葉でやりたい。なぜなら、人の健康と生命は、単なる損得では扱えないからです。

だから私は、因果推論AI分析モジュールを開発しています。
「大多数が助かった」という物語だけで終わらせないために。
「あなたに何が起きたのか」を、少しでも説明できる世界に近づけるために。

トレードオフは“集団の平均”を救うが、“個人の理由”を救えない

トレードオフの発想は、平均で世界を語ります。利益と損失を一つの天秤に載せ、全体の効用が上がる方向を選ぶ。これは公共政策や資源配分には有効です。しかし、人の健康と生命を前にすると、平均は簡単に暴力になります。

当事者にとっては「確率」ではなく「結果」がすべてです。
「稀でした」で済まされない。
「全体では得でした」で納得できない。

なぜなら、その人が失ったのは“平均の損失”ではなく、取り返しのつかない“固有の人生”だからです。

ここで医療が発するべき言葉は、「全体として妥当」ではなく、せめて「あなたに何が起きたのかを説明する努力をする」「次に同じことが起きないように筋道を立てる」です。つまり、個人へ返せる説明責任が必要になります。

因果がないと、医療は“物語”に逃げる

因果の枠組みがないと、現場は二つの極端に引き裂かれます。

  • 「怖いからやめる」
  • 「大多数が助かるから進める」

どちらも一理ありますが、どちらも“個人の理由”を説明できません。すると議論は、データではなく物語に寄ります。印象、恐怖、怒り、正義感、政治性——それらは人間社会に必須ですが、医療の意思決定をそれだけに委ねるのは危うい。

必要なのは、「個人の出来事を、偶然の一言で片付けない」ための道具です。
“起きた事象”を、「なぜ起きたか」「どこで分岐したか」「何を変えれば分岐を変えられるか」に翻訳する道具。
私はそれを因果推論と呼びます。

は、市場規模 × 競争ポジション(自社のシェア順位) × 競争優位性(シェア差)という3軸によって顧客を分類する12マトリクス分析です。

これにより、全顧客がフラットに見える従来のCRM画面では捉えきれなかった、「攻めるべき場所」「守るべき拠点」「撤退すべき戦線」が明確に浮かび上がります。

「副作用0%は不可能」だからこそ、“因果の地図”が要る

もちろん副作用0%は現実的ではありません。医療は介入であり、介入は必ず揺らぎを伴う。それでも私たちは、0%でないことを理由に、説明を諦めてはいけない。

本当に問うべきはこうです。

  • どんな条件の人が、どんな経路でリスク側に寄るのか
  • その条件は接種前・治療前に分かるのか
  • 分かるなら、どう回避・軽減・監視できるのか
  • 分からないなら、なぜ分からないのか(データ・設計・測定のどこが欠けているのか)

これは「責任を免れるための議論」ではなく、当事者の未来を守るための議論です。
そして、この問いに答えるために必要なのが、因果の枠組みです。

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