「ランチェスター戦略を概念から実践へ」

ランチェスター戦略の代表的な事例の一つに、対馬における陶山訥庵先生のイノシシ退治があります。

1700年、対馬の人口2万人に対し、イノシシが8万頭もいたといわれています。農民たちは毎年、必死で育てた作物をイノシシに荒らされて困っていました。退治しようとしても、イノシシの方が数で勝っており、さらに退治する数より毎年増える数の方が多く、問題解決は困難でした。

そこで立ち上がったのが、奉行である陶山訥庵です。

イノシシによる農業被害に悩む農民を助けるため、陶山訥庵によって「猪鹿追詰覚書」が実施されました。彼はまず、島のエリアを9分割し、大きな柵を立ててエリア間でイノシシが移動できないようにしました。

そして、全島民の勢力を1つのエリアに集中させ、1年かけてそのエリアのイノシシを全滅させました。その際、残りの8/9のエリアには一切手をつけませんでした。

翌年には次のエリア、その翌年にはまた別のエリアのイノシシを全滅させ、9年間で問題を解決しました。

これは、戦力量で劣る中小企業(人間)が、戦力量で勝る大企業(イノシシ)に対抗するための、弱者の戦略の例です。

例えば、戦力量に劣る中小企業であっても、市場を細分化し、戦力量を集中させることで、局所的に大企業の戦力量を上回り、市場を拡大するドミナント戦略としています。

しかし、この有名なランチェスター戦略の弱者の戦略は、実際に用いるには少し概念的過ぎるかもしれません。

DXS Stratify®は、独自のアルゴリズムを用いて市場を12のマトリックスに細分化し、優先順位と必要な戦力量を定量化および可視化することが可能です。

製薬企業では外資系を中心に早期退職やポジションクローズを実施し、9年連続でMR数が減少しており、23年3月末のMR数は前年同期比2166人の減少となりました。

デジタルマーケティングがもたらすMQL(Marketing Qualified Lead、マーケティングにより資質が確認された見込み顧客)からSQL(Sales Qualified Lead、販売に繋がる資質が確認された見込み顧客)への受け渡しは、人的資源に依存するプロセスです。MRの数が減少する中で、デジタルツールを活用した顧客開拓が進むと、購買に結びつけるための人的リソースが不足する可能性があります。

MRの数が1/3に減少した場合のリソースアロケーションを演習問題としてご用意しました。

選択肢は3つです。①欠員の担当顧客を残った人員が全てカバーする、②欠員の担当顧客は当面担当者不在とする、③市場規模の大きな顧客を再ターゲティングし優先顧客とする

①ではリソースが分散してしまいますし、②では担当者不在の間に顧客が離れてしまうでしょう。③は一見合理的なようですが、様々な市場環境の顧客が混雑することになるため、短期間でのリカバリーは困難なため、①~③には正解がありません。

先ずは現在の売上実績を崩さないために必要な顧客と、その上で売上実績を向上させるべき顧客を特定することです。そのためには、顧客を「維持」、「強化」、「撤退」と、状況とリソース量により判断する「検討」に分類する必要があります。これは担当交代による引継ぎでも同様です。

マトリクス分析を用いれば、市場規模と競争地位および競争優位性の2軸から、顧客を「維持」、「強化」、「撤退」、「検討」に分類することが出来ます。さらにカバー率とそれに対する売上寄与率を定量および可視化することで意思決定を支援します。

Demoでは36.59%の顧客をカバーすれば、現在の売上の80.03%を維持することが出来ることが分かります。極端に言えば60%くらいの人員を削減しても、8割の売上を維持することが出来るというわけです。

さらに「戦力量分析」と「活動量分析」の機能により、より詳細なリソース配分を算出することが可能です。

分散市場における不特定の潜在顧客のニーズを把握する消費財ビジネスとは異なり、医薬品ビジネスにおいて営業担当者が知りたい顧客情報は、自社医薬品の処方につながる治療方針や処方傾向です。

趣味や嗜好性、休日の過ごし方は、顧客とのコミュニケーションを深めるためには必要な情報ですが、処方獲得のための優先情報ではありません。

医薬品販売データベースによるシェア類型を用いることで、顧客である医師の治療方針や処方傾向を知ることが出来ます。

顧客タイプを知ることで処方獲得の糸口を見つけることが出来るでしょう。

兵法における戦略とは、「必ず勝つ、絶対に負けない」方法を意味します。同様に、ビジネスにおけるSTP分析においても、自社の強みによって競争優位性を得ることが出来るセグメント、ターゲット、ポジションを決める方法です。

演習問題から、自社および競合他社AとBの製品売上推移からどのような戦略をとるべきか考えてみましょう。

自社製品のシェア値が17%、競合製品Aのシェア値が30%、競合製品Bのシェア値が15%です。自社製品は当初こそ、最も高いシェア値を獲得していましたが、競合製品Aに抜かれダウントレンドとなっています。

再度、市場内シェア値1位に返り咲くためには、競合製品Aあるいは競合製品Bのどちらを対象とした戦略が必要になるでしょうか?

現状では競合製品Aを攻略するためには、現在の自社製品にかけているリソース量の5.4倍を必要とする射程距離圏外です。一方で、競合製品Bは辛うじてシェア値で上回るものの拮抗しており、勝つか負けるかの瀬戸際であり、必ず競り勝つ必要があります。

競合製品Bには、現在の自社製品にかけているリソース量の1.3倍で攻略が可能です。競合製品Bのシェアを5%奪えばその差は10%となり、攻略に必要なリソース量は0.4倍と大幅に減少します。さらに競合製品Bからシェアを奪うことに成功すれば、ようやく競合製品Aが射程距離圏内となります。

自社製品のシェア値を27%まで向上させても、依然として競合製品Aが優位であり、その攻略には、2倍のリソース量を必要としますが、現実的に攻略の可能性が見えてきました。

実際に戦略を立てる場合には、リソース量の総量と相談しながら配分可能かどうかを判断する必要があります。

DXS Stratify®の戦力量分析を用いれば必要なリソース量を定量および可視化することが出来ます。

MR(営業担当者)の評価に、単に目標の進捗率だけではなく、シェア値を取り入れるべきとの議論はい以前からされています。それは、担当するエリアの市場規模やその成長性、さらに競合他社との競争環境が異なるからです。

MOVEでは、①進捗率、②進捗率+市場規模、③進捗率+市場規模+シェア値の、3段階でどのようにターゲット施設の優先順位が変化していくのかをお示ししています。4軒の医療機関を担当するMRを事例として、Totalでは進捗率100%ではあるものの施設ごとには100%に達していないモデルケースを仮定しています。

①進捗率のみを追うことで、全ての施設が100%を上回る必要があると考えてしまいますが、それでは適切なリソース配分が出来ず、無駄なリソース、あるいはリソースが不足する施設が生じます。

②進捗率+市場規模の例ではその優先順位が変化し、100%達成しているIS病院の優先順位が上位になりました。

③進捗率+市場規模+シェア値では、IS病院の優先順位がさらにあがり、優先度No,1になっています。これは競争環境の中では非常に脆弱であり、インハウスの評価では100%達成している優良施設だとしても、外部環境からみれば、いつ口座を失ってもおかしくない状況にあります。

一方で、シェア値が1位のT大医学部附属病院では、シェア値が下位の競合製品が口座を失うことでさらにシェア値を高めることが出来る可能性があります。

このように内部環境要因は常に外部環境要因の影響を受けているため、進捗率などインハウスの情報のみで戦略を立てることは非常に危険な行為であると言えます。さらに目標の設定が不適切であった可能もあります。

製薬業界には、このような外部環境要因を知るための素晴らしい医薬品販売データベースが存在します。医薬品販売データベースは、どの製薬企業でも入手することが出来るため透明性が高く、それによって戦略的な動きを予測されやすくなるというリスクが生じます。

医薬品販売データベースを正しく使うことが競争市場においては重要です。

どちらを優先するかには、市場環境の分析が必要です。特に最近のように人員削減により戦力量が低下している状況では、適切なリソース配分が非常に重要です。

DXS Stratify®は、医薬品販売データベースを利用した低次元統計データ分析アプリケーションです。顧客ターゲティングとリソース配分を定量化し、可視化することができます。

適切なリソース量を定量化することでマルチチャンネルの最大活用につながります。

現在、S.I LabではDXS Stratify®のPoV(価値の証明)、PoC(概念実証)に協力していただける製薬企業様を探しています。

ご興味がございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

戦後の高度経済成長期以前の体験を記憶している現役の方は、現在のビジネスの現場にはおられないと思います。

「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」をVUCAと言いますが、我々は誰も経験をしたことがないビジネス環境に立っています。

この10年間の世界の不確実性指数は、実に3.5倍に高まっています。

その大きな要因は世界的な景気後退による市場の縮小です。

そのため、より競争の厳しい市場環境になりました。

私たちが用いているビジネスモデルの多くは、市場が拡大する時期に提唱されたものが殆どであり、競争市場には必ずしも合致していません。

未来を予測するよりも、現状を把握し、変化に柔軟で俊敏に対応することが求められています。

“Embracing the Unpredictable Future in the Present”

Those who remember the era before the post-war period of rapid economic growth are likely not actively engaged in today’s business landscape.

Referred to as VUCA, an acronym for “Volatility, Uncertainty, Complexity, and Ambiguity,” the concept describes a state of affairs where the future is opaque and predicting outcomes becomes challenging. We find ourselves standing in a business environment that none of us have experienced before.

The global uncertainty index over the past decade has escalated by a staggering 3.5 times.

A significant contributing factor to this shift is the contraction of markets due to worldwide economic downturns.

Consequently, our operating within a more fiercely competitive market has become the new norm.

Many of the business models we employ were conceptualized during periods of market expansion and might not align seamlessly with the landscape of competitive markets.

Rather than attempting to predict the future, the emphasis is on understanding the present circumstances and swiftly adapting to changes with flexibility and agility.

様々なデータを分析しデジタルを活用して見える化することにより競争優位性を得ることが出来ます。

見える化により、課題把握がしやすくなり、業務フローが標準化されればムダを省くことでコストを削減し、リスクやミスを軽減出来ます。

標準化は個人のスキルに依存することなく、組織に一体感を生みスピードと品質を向上さ

せます。

「可視化」と「視覚化」は、どちらも見えないものを見えるようにすることを意味する言葉ですが、前者は目に見えないものを分かりやすくする時に使い、後者は目で見てわかるようにする時に使います。

一方の「見える化」とは、可視化や視覚化と同じように、見えるようにすることを意味しますが、その人の意思とは関係なしに目に入る状態にすることを意味します。

そのため、より認識しやすい状態を表す順に並べると、「見える化」>「可視化」>「視覚化」となります。

We are working on visualization to maximize the effectiveness of sales activities through sales support applications.

You can gain a competitive advantage by analyzing various data and visualizing it using digital technology.

Visualization makes it easier to grasp issues, and if the work flow is standardized, you can reduce costs by eliminating waste and reduce risks and mistakes.

Standardization creates a sense of unity in the organization and improves speed and quality without depending on individual skills.

let

Both “Mieruka” and “Kasika” mean making the invisible visible.

On the other hand, “visualization” means to make something visible, just like visualization, but it means to make something visible regardless of the person’s will.

Therefore, when arranging in the order that represents the state that is easier to recognize, it is “Mieruka” > “Kasika > “Sikakuka”

早期退職などによりMRを削減した後の人員配置はどのように行えば良いでしょうか?

  1. 残った人員が全ての顧客をカバーする
  2. MRが不在になった顧客はターゲットから除外する
  3. 市場規模の大きな顧客から優先してリアロケーションする

もちろん正解は目的により異なります。

自社製品の情報を提供することが目的であれば、これまでMRが訪問し情報提供を行っていた全ての顧客には、残った人員が従来通り訪問しなければなりません。

しかし、現在の売上高を維持し、さらに売上を向上させるのであれば、1~3の中には正解はありません。

現在の売上高を維持し、さらに売上を向上させるために必要なこと

  1. 自社製品のロイヤルカスタマーを維持する
  2. 自社製品と競合製品が拮抗する顧客は自社製品のロイヤルカスタマーに育成する
  3. 自社製品と競合製品が拮抗する顧客が競合製品のロイヤルカスタマーになることを阻止する

上記を達成するために競合製品のロイヤルカスタマーおよび自社製品の売上寄与率の低い顧客に投下されているリソースを自社製品のロイヤルカスタマーと拮抗状態の顧客に再配分する必要があります。

マトリクス分析法を使えば1~3を定量化・可視化し、戦力量分析法により必要なリソース量を数値化することが出来ます。

“How can we quantitatively and visually allocate personnel after reducing the number of MRs through early retirement or other means?“

There are several approaches to consider based on the objective:

Ensure that the remaining personnel cover all customers.

  1. Exclude customers who would be left without an MR from the target list.
  2. Prioritize reallocation based on the market size of customers.
  3. Of course, the optimal solution depends on the specific objective.

If the purpose is to provide information about your company’s products, the remaining personnel should continue visiting all customers as before to provide the necessary information.

However, if the goal is to maintain current sales and further increase sales, none of the options 1 to 3 alone will suffice.

To maintain current sales and achieve further growth, the following actions are necessary:

  1. Retain loyal customers of your company’s products.
  2. Nurture customers who are evenly split between your company’s products and competing products into loyal customers of your company’s products.
  3. Prevent customers who are evenly split between your company’s products and competing products from becoming loyal customers of the competition.

To accomplish the above, it is necessary to redistribute resources currently allocated to loyal customers of competing products and customers with low sales contribution to your company’s products and those in a competitive state. By using matrix analysis, options 1 to 3 can be quantified and visualized, while the resource requirements can be quantified using a force analysis method.

本筋にエネルギーが注がれておらず、表層的な課題にばかり気を取られていては経営資源が無駄に使われることになります。

これは同様にビジネスにおいても言えることだと思います。

本来、民間企業とは利潤を最大にすることが最たる目的であり、すべての民間企業は自由競争のもと、経営に対するあらゆる自己責任を担うことを前提に活動していくべき存在です。

これからの製薬企業は、自由競争のなかを勝ち抜く企業でなければ、世界的な競争のなかで生き残れない時代となりました。

さて現在の製薬業界は行き詰ったビジネス構造の本質を改革出来ているでしょうか?

#マトリクス分析法 #3C #競争優位性

“Sequel: Alignment of Business Structure and Processes”

If the main focus is not given enough energy and only superficial issues are taken into account, management resources will be wasted. This is also true in business.

Originally, private companies exist to maximize profits, and all private companies should operate on the premise of bearing all responsibility for management under the free competition.

For pharmaceutical companies in the future, it has become an era where they cannot survive in the global competition unless they are companies that can survive in the midst of free competition.

Now, can the current pharmaceutical industry reform the essence of its stagnant business structure?