「経営資源に勝る方が勝つ」とよく言われますが、具体的に経営資源とは何を指しているのでしょうか?一般的には「人(Human)、物(Material)、金(Capital)、情報(Information)」の4つが経営資源とされます。しかし、単にこれらを持っているだけでは競争優位にはなりません。重要なのは、これらの資源をどのように活用し、企業の価値創造プロセス(バリューチェーン)に組み込むかです。
経営資源をバリューチェーンにどう活かすか?
バリューチェーンは、企業が価値を生み出すプロセスを「主活動」と「支援活動」に分けて整理するフレームワークです。それぞれの活動に適切な経営資源を投入することで、競争力のあるビジネスモデルを構築できます。
例えば、製薬業界を考えてみましょう。
- 「研究開発(R&D)」では、優秀な研究者(人)、膨大な臨床データ(情報)、資金力(金)が競争優位のカギになります。
- 「マーケティング&販売」では、医師とのネットワーク(情報)、製品のブランド力(物)、営業部隊の数(人)が成果を左右します。
つまり、単に資源を持っているだけではなく、バリューチェーン上のどこにリソースを集中させるかが戦略のポイントとなります。
経営資源とバリューチェーンは一体
バリューチェーンと経営資源は、どちらも企業戦略を考える上で欠かせない視点です。
- バリューチェーンは、「企業がどこで価値を生み出すのか?」を明確にするもの。
- 経営資源は、「その価値創造のために、どのリソースを強化すべきか?」を決めるもの。
つまり、経営資源による優位性は単に総量だけではなく、どの活動にどの資源をどう配分するかが競争優位の決め手となるのです。
まとめ
経営資源は単なる「人・物・金・情報」ではなく、それらをどのバリューチェーンの活動に投入し、どのように活用するかが重要です。競争の激しい市場では、「自社がどの領域で価値を生み出し、そのためにどのリソースを活用するのか?」を見極めることが、持続的な成長につながります。