市場分析、競合分析、自社の分析から戦略立案を行い、やるべきことが明確になったなら、それらに優先順位とリソース配分を決めなければなりません。

特に広いエリアの責任を負う方は、全ての要求通りに経営資源を提供することには限りがあります。

誰もが納得出来るだけの理論は持っておく必要があります。

そのためには定性的な情報にだけ頼った意思決定ではなく、定量的な情報に基づいた理論とプロセスが必要になります。

市場情報には人口や対象患者数の他に、治療状況や薬物使用の頻度や量、施設情報や専門医数などがあります。

これらの情報は厚労省のホームページから入手することが可能です。

将来推計も掲載されているので中長期計画にも活用することが出来ます

競合状況については、殆どの製薬会社でIQVIA社のDDDを購入しているかと思いますが、少しデータは古くなりますが、NDBオープンデータから取得することが出来ます。

それ以外にもスタッフの数や医療機器なども公開されています。

売上の進捗状況だけを見ていては競合に勝つことは出来ません。

市場の偏在と顧客ニーズの多様化により本社一元管理のビジネスプランでは対応が困難になっています。

競合に勝つためには、より一層エリア特性に応じた戦略プラン二ングが必要です。

エリアマーケティングのプラン二ングを行う際に、社内情報だけでは十分ではないことがあると思います。

しかし今では地域包括ケアシステム構築のために様々な情報がWeb上に公開されています。

エリアマーケティングを行うには、市場状況、競合状況、そしてそれらと相対的に自社の状況を把握する必要があります。

すなわち3C分析です。

営業企画とは、その名の通り、企画や提案を含めた営業支援を行い、マーケティングと営業部門を連携しお互いを機能させる役割を担っています。

最近では市場の偏在と顧客ニーズの多様化により、MR自身もエリアマーケティングを行うことが求められるため、企画営業と営業に大きな差が見られなくなっていますが、やはり営業企画はMRよりも本社に近いためその役割は大きくなります。

本社が定めた売上目標達成のサポートとプロモーション戦略実施のための営業サポートによって、営業部門が成果を出せるように仕組みづくりから支援していきます。

とはいえ、本社の計画を実行させることと営業現場の状況の板挟みになることも多いでしょう。

営業部門に納得して活動してもらうためには、各営業チームのパフォーマンス・営業数字、市場動向・競合情報などを分析し、マーケット、顧客群ごとに戦略を理解しておく必要があります。

「経営者の判断」でとりあげたA店の分析について、改めて取り上げたいと思います。

私はデータのみでしかA店のことは知りません。

立地やスタッフのことは全く情報がありません。

データ分析と統計処理から、売上が失速したのは「初動が順調で気が緩んだ」ことでチラシ配布を怠ったのでは?と推察しました。

しかし順調だった売上が翌年に突然失速し、また3年程で元のように順調に売上が向上し始めています。

もしかしたら、いやむしろ何らかのトラブルがあった可能性が考えられます。

その真相は数値を眺めるだけではなく、実際に調査する必要があります。

コロナによってコミュニケーションのスタイルが変わりつつありますが、やはり実際に足を運ばないと見えないものもありますね。

既に競合が強者として存在する場合や、新規参入で失敗するケースの多くは、最初から全体市場を狙うことが理由です。

強者とのシェア値が3倍(√3倍)以上引き離されていたり、全体市場でのシェア値が10%未満であるなど、圏外弱者は、戦えば負ける確率が非常に高く、避けるべきであるにもかかわらず、無謀にも挑戦して失敗するのです。

戦略の原理原則は「必ず勝つ、絶対に負けない」です。

皆さんはプラン二ングの際にビジネスフレームワークを使うことがありますか?

時々、頭でっかちになって、「PESTをやって3CやってSWOTで分析すればいいんだよ」などと言われる方がいます。

しかしビジネスフレームワークは便利なツールではあるものの結果を算出してくれるわけではありません。

情報を整理し、視覚化することで、あなたの判断の根拠としてサポートするためのツールです。

ですので、何を分析し答えを導き出したいかによって、使うビジネスフレームワークは変わってきます。

ビジネスフレームワークは提唱者も提唱された年代も、対象となる業種もバラバラです。

必ずしも我々の業界にマッチしているとは限りません。

市場と顧客、そして競合を分析し、それらに対して自社の強みを明確にすることが目的です。

成長戦略のための多角化、新規事業を進めていましたが、契約の直前で経営者からストップの判断が下りました。

初期投資の大きさと、回収までに時間がかかること、成功確率が未知数であることが理由です。

差し支えない範囲で公開させていただきます。

既存のビジネススタイルは大量のチラシを配布し新規顧客を獲得するスタイルですが、分析の結果ではチラシ配布は新規顧客の獲得ではなく、問合せを増やすことを目的とし、顧客ニーズを掘り起こし複数のサービスを提供することで客単価と売上を高めることが出来れば利益が出やすいことが分かりました。

皆さんが経営者ならどう判断するでしょうか?

私はMR時代、KPIをトレースされ、その進捗状況で評価されることはとてもイヤでした。

営業なんだから売上目標を達成していれば良いのではないか?

そう思ってました。

実際、目標を達成していてもKPIの実施状況が悪ければ低く査定されてしまいます。

おかしいですよね?

KPIは目標達成のための中間的な指標であって目標そのものではないはずです。

KPIだけ達成して売上目標が未達なんて、そんなので評価されても素直に喜べません。

だったらKPIの実施結果がどの程度、売上に影響を及ぼしたか検証しててはいかがでしょうか

レバレッジポイントとボトルネックも見えてくるはずです。

どれもEXCELで出来るので是非お試しください。

「強み」とは何かを理解したところで、次は「強み」の抽出をしてみましょう。

「強み」といえばSWOT分析を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

しかしSWOT分析は「強み」を抽出するためのビジネスフレームワークではありません。

既に抽出された「強み」を外部環境分析の結果である「機会と脅威」と掛け合わせることで、顧客にとっての価値と、競合に対する優越性を導き出すための情報の洗い出しです。

SWOT分析を行うためには、外部環境分析だけではなく、内部環境分析を行う必要もあります。

しっかりと理論とプロセスを身につけましょう。