日本の代表的企業であるトヨタが、日本の終身雇用は限界があると言って日本中に衝撃を与えたことは記憶に新しいと思います。

新卒一括採用から定年退職までの終身雇用は、景気の継続的な成長を基盤にしています。

市場が成長していれば、今年より来年、来年より再来年は売上は向上し、それに伴い人材が必要になるからです。

世界中の就職活動では、日本の新卒一括採用は非常に特殊です。

優秀な学生の間では就職をせず起業するのが最もステータスが高いそうです。

「学生時代に打ち込んだこと」や「志望動機」「コミュニケーション能力」が重視されている日本に比べ海外ではよりスキルや即戦力重視です。

一方、日本では採用後にさまざまな業務を経験させて育てることが前提になっており、入社時のスキルや専門知識は技術職などの一部を除き問われることはありません。

しかし、ITバブルが崩壊した2000年前後の「就職氷河期」といわれた頃から日本型人事システムには綻(ほころ)びが見え始め、「終身雇用」も「年功序列」も徐々に崩れて行きました。

私も入社した時には、いつかオフィスで花束を貰って円満に定年退職を迎えるものだと信じ切っていました。

まさか30年後に独立起業するとは夢にも思いませんでした。

では持続可能な成長のためにはどうすればよいでしょうか?

アンゾフの成長マトリクスを参照してみましょう。

最もレバレッジが効くのは、これまでの経験とスキルを活かすことです。

既存市場に対してこれまでの経験を再構築し、新たな価値提供を図ります。

私の同業者の中には、元製薬企業勤務、MR出身者が少なくありません。

セミナー講師であったり、コンサルタントであったり様々ですが、共通して医薬品業界での経験を活かしています。

MRであれば、医薬品業界で様々な事例を見たり多くの経験をされているはずです。

それらの経験に加えて、ある特定の領域の専門的知識を習得し、コンテンツ化すれば起業することは難しくありません。

実際にニーズも増えてきています。

もう一つの戦略は副業による多角化戦略です。

少ないリスクで既存のリソースを最大活用することが可能です。

最近では働き方改革など、副業を推奨する企業も増えています。

起業のタイミングは20代と50代が成功確率が高いそうです。

20代は新しい技術を取り入れることとリスクを取れることが強みです。

50代は経験とスキル、人脈などが強みです。

高度成長期は昔の話です。

これからの社会は大きく変化していく時代になります。

今の現状をしっかり把握して、これからどうしていくか?

それも自分自身のキャリアの戦略プランと言えるでしょう。