私が製薬会社に勤務していた際は、営業現場と本社の両方を経験しました。
自身のMR時代を振り返ると、本社から下りて来る活動計画に必ずしも納得していなかったり、指示通り実施しなかった経験があります。
特にKPIについては、なぜそこまで徹底的に追求するのか不思議でした。
売上目標を達成すれば問題ないはずです。
売上目標の達成は全社の目標であり、営業であろうとマーケティングであろうと同様なはずです。
またコンサルタントとなった現在では、クライアントから戦略プランの実施が、本社から営業現場までの一気貫通で上手く機能しないとのご相談をいただきます。
ではなぜ食い違いが生じるのでしょうか?
マーケティングは売れるための仕組みを作ることが役割の一つです。
そのためには活動計画とその進捗の指標であるKPIは最大の関心事です。
KPIは定量化できるためにデータ分析としても用いやすい利点があります。
一方で営業は属人的な側面があり、行動を細かく規定されることはあまり好きではありません。
また市場の偏在や顧客ニーズが多様化する現在では、本社一元管理の戦略プランが機能しないことが少なくありません。
営業にとってはKPIを100%実行することより、売上目標を100%達成する方が優先度が高くなります。
特に市場には競合が存在し、競争市場で勝ち抜かなければ売上目標を達成することは非常に難しくなります。。
マーケティングから営業まで、起承転結、ストーリーとしての繋がりのあるストーリーがなければ経営資源を使い切り、競争市場で勝つことは出来ません。
顧客と競合と自社、これらの要因が相互に影響を与え、勝つために必要な戦略は相対的に決まることを忘れないで下さい。