セールスプロモーションを実施した後には、実際にそのセールスプロモーション(以後SP)に効果があったのかどうか測定する必要があります。

SP実施の目的は、顧客の短期的な「行動変容」を起こすことです。

すなわち自社製品の処方の促進です。

ではどのような指標を用いてSPの効果を測定すればよいでしょうか?

KPIの実施率でしょうか、あるいは売上実績でしょうか

この2つの指標では真に顧客の処方行動に変容を起こせたかはわかりません。

行動変容の有無を知るには、市場内での競合状況に変化があったのか、シェア値のトレンドチェンジが起きたのかを指標にする必要があります。

スライドでは例として市場参入間もない製品のケースを示しています。

市場参入期や成熟期は売上目標の設定に市場性が考慮されていないケースがあります。

結果、インハウスの指標だけになるため競合状況を見ることが出来ません。

殆どの施設が目標を達成し、前年同期比を上回っていたとしても競争優位性は同じとは限らないからです。

H病院ではSP実施後も自社製品および競合製品ともにトレンドの変化は見えず一強型市場のままです。

市立S病院では順調に自社製品のシェア値を拡大していましたがSP実施後にシェアダウンしています。

競合製品のシェア値が向上していることから活動が見える化したことでカウンターを受けた可能性があります。

結果、2強型市場が形成されてしまいました。

S医院ではSP実施の効果が如実に現れています。

自社製品のシェア値が向上することで競合製品のシェア値が削られています。

しかし3か月後の自社製品のシェア値がダウンしていることから、患者が来院しなくなった可能性があります。

例えば競合製品からの切り替えや増量など、患者目線での価値提供を忘れ、売上向上だけを目的として実施したSPなどです。

このケースではSPは失策だったかもしれません。

競争市場には必ず競合が存在します。

常にシェア値による競争地位および競争優位性の確認を忘れずにいることが重要なポイントです。