ミュニケーションミックスのタイプは大きくプッシュ戦略とプル戦略に分けられます。

プッシュ戦略とは自社の営業や流通業者を通じて消費者に向けて自社製品をプロモーションし購買するように促す人的販売型のコミュニケーション戦略です。

プッシュ戦略は消費者が製品間の差異を明確に知覚できない場合や購買意欲があまり高くないに場合に有効とされています。

一方、プル戦略とは広告を中心に消費者に自社製品に対する購買意欲を持たせ消費者に指名買いをさせるコミュニケーション戦略です。

そのためには製品要因として訴求すべき差別化ポイントがはっきりしていることが重要です。

また分散市場における不特定多数の顧客を対象としたマスマーケティングにおいて有効な戦略です。

デジタルプロモーションを成功させるヒントがありそうですね。

優先すべきはどちらか?

勿論、製品のライフサイクルのフェーズによって異なります。

新規市場参入期では口座開設を、成長期では市場拡大を優先します。

とはいえ製品のライフサイクルがどのフェーズにあるのか?

進捗状況は良いのか、悪いのか? 何らかの指標が欲しいところです。

顧客への浸透度の目安としてロジャースのイノベーター理論があります。

攻略の難易度に応じて、顧客分類とその割合が示されています。

自社の顧客を、製品の受け入れ状況に沿って分類し、その比率をロジャースのイノベーター理論と照らし合わせてみましょう。

イノベーター理論に近い割合なのか、まだ達していないのか、一つの判断基準となると思います。

ラガードは情報収集に消極的で面会やデジタルによる情報提供にも反応しない可能性が高くなります。

口コミなどによって攻略出来ることがあるので、Dr to Drの講演会などに招聘すると良いでしょう。

成果を得る確立が低いまま、いつまでも適さない活動にリソースを投入し続けることを避ける指標になると思います。

利益と売上、どちらが2倍にするのが簡単かといえば利益です。

だからといって安易に飛びつくことは出来ません。

利益を重視するには利益を確保できるだけの売り上げがあることが大前提です。

売上が固定費+変動費を上回ることで利益が生まれます。

また利益中心主義の弊害は顧客志向にならず、販売志向になることです。

顧客志向を失えばサービスが低下し顧客離れを招きます。

ピータードラッガーは「利益は結果であって目的ではない」と言っています。

とはいえ売上を向上し利益を得るためには、一律にサービスを提供するわけにはいきません。

際限なく経営資源があれば別ですが、通常は限られた経営資源を効率良く投下しなければならないからです。

顧客に優先順位をつけ、よりサービスを提供する顧客と、リターンが見込めずサービスを提供することが難しい顧客に色分けをする必要があります。

なぜ自らマイナス差益を生むような価格競争をする必要があるかといえば、市場競争が厳しいからです。

売上を向上するためには競合との市場競争に打ち勝つ必要があります。

競争市場には必ず競合が存在します。

勝つための理論とプロセスが必要です。

卸が医療機関や薬局に納入する価格がメーカーからの仕入れ値を下回る現象が起きています。

いわゆる「逆ザヤ」、1次差益マイナスです。

売れば売るだけ赤字になる不可解な構造ですが、理由として①厳しい法規制、②競合他社との差別化が難しい、③メーカーからのアローワンスによる利益、④国定薬価により利益を上乗せできない、などが挙げられます。

また価格交渉や、医薬品の急配対応など、コストがかかりやすい構造があります。

さらに近年は薬価の引き下げや、収益性が低いジェネリック医薬品の普及など卸にとって非常に利益を出しにくい環境です。

利益を重視するには利益を確保できるだけの売り上げがあることが大前提です。

売上が固定費+変動費を上回ることで利益が生まれます。

さて、利益と売上、優先すべきはどちらでしょうか?

企業の利益追求が過度に進むことによる弊害があります。

顧客志向から販売思考へ、長期的視点から目先の利益獲得へ、人材育成や新規事業などへの投資が後退するなどです。

特に顧客志向から販売思考に主眼が変わってしまうとサービスの質が低下し、それにより顧客離れが進む悪循環に入ってしまいます。

利益を重視するには利益を確保できるだけの売り上げがあることが大前提です。

利益を追求することで却って売上が減少しては自分で自分の首を絞めることになります。

ドラッガーは「利益は結果であって目的ではない」と言っています。

売上を向上し、企業としての基礎体力を養うことが先決です。

会社が継続していくためには「利益」の確保が必要です。

売上があっても利益が出なければ、会社を存続させることは出来ません。

売上も利益も両方大事だということは皆さん理解されていると思います。

しかし売上が評価になっていれば売上の確保を優先したくなるのは当然のことです。

「もう売上重視の時代ではない。売上を追求するよりも利益を重視した経営にシフトすべきだ」という声も増えて来ました。

しかし重要なポイントは、利益を重視するには利益を確保できるだけの売り上げがあることが大前提です。

少子高齢化やコロナの影響によって、競合他社との競争が厳しくなっており売上が停滞し利益率も下がっています。

業績が伸び悩む理由を外部環境のせいにして従来のやり方を繰り返しているだけでは結果は変わりません。

環境が変化した分だけ悪化し続けてしまうだけです。

2021年3月期の決算報告では、医薬品卸各社の営業利益が大幅に減少しました。

営業利益率はメディパルHDを除き3社が1%を割っています。

業績悪化の主な背景は、薬価改定や新型コロナウイルス感染拡大に伴う受診抑制による医薬品市場の縮小によるもので、20年度の国内医療用医薬品市場は前年度から2.7%減となりました。

また医療機関や薬局の経営不振による値下げ要求が強まり、卸間の価格競争が激化したことも不振に追い打ちをかける要因です。

相次ぐ医薬品の出荷調整は、卸の収益改善にとって重要な流通改善の取り組みを停滞させました。

さらにコロナ禍での配送業務優先により、流通ガイドラインの順守がうまくいっていないようです。

このように業績が悪化した卸各社は流通コストを踏まえた利益確保に動いています。

2011年からの各卸の売上推移を見てみるとほぼ横ばいの状態です。

では、利益と売上、優先すべきはどちらでしょうか?

営業推進・企画の方から、「コロナ禍で顧客との面会機会が減少しており、訪問計画を見直したいが良い指標はないか?」とのご相談をいただきました。

売上実績データを基にした12にのマトリックス表を用いて相対的にコールアロケーションを決定する方法をご紹介し、実行に移すところでした。

しかし、本社の方から、既に決定している実行プラン通りにやってもらわないと困ると横やりが入り白紙になってしましました。

プラン通りに実行しろとはいっても会えないものは会えないのだから、何か他の手立てを検討するしか術はありません。

何故、このようなことが起きるのでしょうか?

本社の方は実行プラン(KPI)を立案し、その実施状況を追跡します。

一方で営業の方は実行プラン(KPI)の実施率を追跡されることは勿論ですが、最終的には売上実績で評価がなされます。

つまり営業の方々にとっては実行するだけではなく、その結果、売上を達成することが出来たかどうかが重要になるわけです。

KPIを100%実施すれば売上目標を100%達成出来るのであればKPIだけを追跡すれば良いのですが、KPIは指標であって「ゴール」でも「目的」でもありません。

営業にとってのゴールは顧客に処方行動を起こさせ売上を達成することです。

すなわち評価としての「目的」が本社の方は実行プランの実施率、営業の方は売上目標の達成率と異なることが営業vsマーケティングの構図が生まれる要因の一つだと考えられます。

営業とマーケティングが売り上げを伸ばす=企業に利益をもたらすという共通の目標を持ち、協力して目指すことで、より効果的な活動につながるはずです。

先日、いきなりSWOT分析をしている方に会いました。

聞いてみるとその後にクロスSWOTはせずSWOTだけで終わりだそうです。

ビジネスフレームワークは分析から戦略立案までを標準化しプロセスを簡単に出来るメリットがありますが、やはり正しく理解し活用しないと、誤った結論に満足してしまい間違いに気がつかないことがあります。

SWOTには外部環境と内部環境を書き込むフレームがありますが、いきなり書き始めても自分が知っている事や経験や感覚的にそうだろうと思うことが中心になってしまうため客観性に欠けたものになってしまいます。

まずは大きく情報を集めて、絞り込んでいく作業が必要です。

環境分析には外部環境分析/内部環境分析がありますが、分析を行う際は内部環境よりも外部環境の分析を先に行います。

なぜなら内部環境の多くが外部環境に大きな影響を受けるからです。

外部環境分析で有名なビジネスフレームにはPESTや3Cがあります。

環境変化を捉え未来を予測しながら戦略オプションを抽出します。

フレームワークに慣れていない方はPESTより3Cの方が親しみやすいと思います。

勿論、多くの視点から分析することが重要ですが情報の洪水に溺れないように注意してください。

内部環境分析のフレームワークにはバリューチェーン分析やVRIO分析があります。

正解は一つではありませんが、ただ漠然と考えても明確な答えは出てきません。

フレームワークを使えば思考の漏れや無駄がなくなり、プロセスを可視化することで共有しやすくなります。

しかし情報収集の難しさ、分析の難しさ、結果からの戦略立案の難しさなど、経験やスキルを必要とします。

定量データを数式に当てはめれば分析結果がでるアルゴリズムがあれば良いと思いませんか?

S.I Labがご提供します。

現在使用している自社製品に満足していたはずの顧客が、ある日突然、競合他社の製品にブランドスイッチをすることはありませんか?

このような行動はバラエティーシーキングと呼ばれます。

特定の製品カテゴリーの購買において、消費者が刺激や多様性を求めることから生じる現象です。

医薬品のように、同一クラスの薬剤間では非劣性であっても優越性の差が少ない製品カテゴリーではスイッチングで失敗しても良いので新しいものを試してみようという気持ちになりやすいからです。

多くの製薬企業は顧客満足度に軸足を置いているかと思います。

満足度が高ければ、顧客のロイヤリティーは高くなると考えるからです。

このことはごく当たり前のように感じるのではないでしょうか?

しかし、顧客満足とロイヤリティーの関係を明らかにした研究結果では、顧客満足度が高くなればよりロイヤリティーは高くなるが、「満足」と「非常に満足」のロイヤリティーの差は非常に大きいことが分かっています。

「満足」しているのにロイヤリティーが低いのはなぜでしょうか?

その理由は同一市場で競合同士の競争があるからだと言われています。

あるブランドに満足していたとしても同等に満足できるブランドが他にあるのならば特定ブランドへのロイヤルティーは低くなるということです。

つまり、顧客満足度調査で「満足」という回答が得られても、顧客満足度をロイヤリティーと言う観点から見るとほとんど意味がないということになります。

すなわち「極めて高い」顧客満足度を達成しなければ、高いロイヤリティーを獲得する事が出来ないということを意味します。

クープマンモデルにおいても強者は2位に圧倒的な差をつけていますよね。

また、数ある競合製品の中から特定の製品を選択した後に、顧客は本当にこの製品で良かったのだろうか?他のブランドの方が良かったのではないだろうか?と悩んでしまうことがあります。

このように自己の内部で心理的な矛盾が生じることを認知的不協和と呼びます。

この場合においても、医薬品のように、同一クラスの薬剤間では非劣性ではあっても優越性の差が少ない製品カテゴリーであることが不協和を生じやすくする理由です。

認知的不協和が生じると人間はそれを低減させようとして選ばなかった製品の悪い点をみつけたり、選んだ製品の良い点を再確認するといったような行動や思考を取るようになります。

シェアを高め圧倒的な強者になること、優越性を得るため競合製品に対して差別化を図ることが重要です。

顧客を怒らせたり、失敗によって取引中止などは論外ですよ。