顧客維持を目的としたマーケティング手法に「カスタマーマーケティング」があります。

一般なマーケティングでは潜在顧客を掘り起こし新規顧客開発を行うマーケティングに対して、カスタマーマーケティングは、既に取引のある既存顧客を主なターゲットしたマーケティングです。

既存顧客の顧客離れを防ぎ継続的な収入を確保するとともにロイヤルカスタマーに育成することで競争優位性を確保します。

12のマトリクスでは顧客を「維持」、「強化」、「検討」、「撤退」の4つのタイプに分類し、優先順位および投入するリソース量を適正配分します。

「維持」は現在の売上の要であり、ここを維持することで大きな実践の崩れを防ぐことができます。

「強化」は競合との競争状態にあり、必ず競り勝たなければなりません。

それではそれぞれにどの程度のリソース量を投入する必要があるのでしょうか?

マーケティングの世界では「1対5の法則」と言われています。

既存顧客を維持するためのコストを1とした場合、新規顧客獲得コストは5倍必要と言われています。

限られた経営資源からリソースを捻出するためには「撤退」するべき顧客のリソースは「強化」に配分し、「検討」からいかに「強化」に再配分することが出来るかが成功のきーとなります。

戦力で圧倒的に勝るロシア軍に対するウクライナ軍は真正面から戦っても勝つ見込みは殆どありません。

とは言え絶対に勝てないかと言えば弱者には弱者の戦い方があります。

弱者の5大戦略は、局地戦、接近戦、一騎討ち、一点集中、陽動戦です。

弱者は戦力を分散しては強者には絶対に勝てません(局地戦)。

ゲリラ戦や火炎瓶、ヒットアンドアウェイ(接近戦、一騎打ち、陽動戦)など弱者特有の戦い方です。

メディアの報道を見てもウクライナの一般市民と民間兵の報道はあっても、ウクライナ軍32万人がどのような戦略・戦術を展開しているのか殆ど情報がありません。

戦力で勝つことは難しいかもしれませんが、長引かせることで交渉を優位に進めることが出来るかもしれません。

戦闘が続くウクライのロシアですが、ここで戦略の原則を見ることが出来ます。

2者間競争において、ウクライに比べ3倍以上の兵力を持つロシア軍は強者の立場です。

なぜなら、絶対に敵に勝つためには3倍の戦力を投入する必要があるからです。

強者の5大戦略は、総合主義、広域戦、遠隔戦、確率戦、誘導戦です。

3倍の兵力で(総合主義)、自国ではなく敵国内で戦い(遠隔戦)、都市部を集中的に攻める(確率戦)の戦い方はまさに強者の5大戦略です。

市場に存在する顧客と競合は自分ではコントロールすることが出来ません。

さらに外部環境要因である顧客と競合は自社に常に影響を与え、変化しています。

自社に出来ることは外部環境の変化に対応して柔軟で俊敏に対応することだけです。

『MR目線のKRI②』の事例のような、「あと一押しで」といった状況です。

もしその情報を知った競合が対応してくればさらに状況は変化していきます。

コントロール出来ないものに注力しても効率的とは言えません。

コントロール出来るものと出来ないものに分けて、コントロール出来るものに注力すべきです。

MRだったら、あと一押しで処方が取れるとしたらどうするでしょうか?

当然のことですが、活動を継続するでしょう。

ではもしKPIで顧客毎の訪問回数が決められており、既に設定回数を達成しているとしたらどうでしょう?

KPIは訪問回数、カバー率、集中化率で評価されます。

つまり多くても少なくても評価されにくい構造があります。

多くの製薬企業では行動評価としてのKPIと結果評価としての売上実績・進捗率(KGI)の2つが設定されています。

行動と結果に因果関係があれば問題ありませんが、実際には相関関係はあっても因果関係があるとは言えません。

となるとKPIとKGIのどちらかを優位しなくてはならない場面に遭遇する可能性があるということです。

営業であれば売上にこだわりたい人が多いのではと思います。

その場面は実際の活動とは異なる報告をするかもしれません。

そうなってしまってはせっかくの定量化されたデータに何の意味も無くなってしまいます。

KGIと因果関係が成立する中間的な数値化された評価軸が必要です。

Goal setting from the perspective of MR (Medical Representatives)

Goal setting is important for improving work performance.

Goal setting is to clarify the things to achieve the purpose.

You need to quantify to track and evaluate the goals you have set.

But aren’t you hindering your actual actions to quantify your goals?

Since it is difficult to quantify the purchasing behavior of customers, we may use alternative indicators that can be measured.

For example, activity volume and sales.

However, although there is a correlation between activity and sales, it cannot be said that there is a causal relationship.

It is the behavior change of customers that has a causal relationship with sales.

Behavior change needs to be quantified, tracked and assessed.

仕事のパフォーマンスを高めるためには目標設定が重要です。

目標設定とは目的を達成させるための事柄を明確にすることです。

設定した目標を追跡し評価するために定量化する必要があります。

しかし目標を数値化するために実際の行動を妨げてはいませんか?

顧客の購買行動は数値化することが難しいため測定が可能な代替指標を用いることがあります。

例えば活動量や売上などです。

しかし活動量と売上には相関関係はあっても因果関係があるとは言えません。

売上と因果関係があるのは顧客の行動変容です。

行動変容を定量化し追跡と評価を行う必要があります。

認知バイアスとは、「思い込み」「偏見」「先入観」「記憶の誤り」といった「認知の偏り」のことです。

顧客からの反論の中には明らかにこれらの認知バイアスが含まれている場合が結構あります。

私がMRをしていた時は、そんな顧客に一切、反論や論破を試みませんでした。

なぜなら事実ではないからです。

反論している顧客もエビデンスを持っているわけではありません。

こちらが一切反論せず顧客の意見を受け入れていると顧客の方も根拠無根であることに居心地が悪くなります。

「そのようなご経験をされたんですね」、「そのような報告があるのですね」など反論せず正当化します。

そして「科学的なお話大変参考になりました」と言って帰ります。

すると不思議と次回の面談時に態度が軟化していることがあります。

これも私の経験に基づいたエピソードでありエビデンスではありませんが。

The internal environment is always influenced by the external environment.

Therefore, strategic planning from the perspective of the market / customer, competitors, and your company is important to success in a competitive market.

Also, the external environment is constantly changing and we need to be flexible and agile.

Fixed activity plans defined solely by internal factors do not address these.

If you are planning strategic planning  in 3C, you need to track, analyze and evaluate in 3C.

内部環境は絶えず外部環境の影響を受けています。

そのため、市場/顧客、競合他社、そして自社の3者の視点による統合的な戦略策定が重要です。

そして外部環境は常に変化しており、柔軟で俊敏な対応をしなければなりません。

社内要因だけで定めた固定化された活動計画はこれらに対応することは困難です。

3Cによる戦略プランニングは、3Cで追跡、分析、評価する必要があります。

私がMRをしていた頃に得意としていたのは処方しない理由を伝えて来る顧客です。

こちらのプロモーションに対して反論してくる顧客の言葉の中には攻略の糸口が必ずあるからです。

逆になにも反論せず、しかし処方を獲得出来ない顧客にはいつも苦慮していました。

攻略の糸口が見つけられないからです。

リモート化した昨今の情報提供では反論を受ける機会も少ないかもしれません。

それはある意味で攻略の機会を失っていると言えます。