『マトリックス分析の価値として認められた「新規性」と「進歩性」とは?』

マトリクス分析は本年7月に特許庁よりその「新規性」と「進歩性」が認められました。

マトリクス分析は、売上データとして「顧客」毎の複数の製品それぞれの売上情報を用いて分析対象製品と他の製品との売上比較に基づく分析を行います。

「従来技術との差異、及び本発明の価値」
先行発明では、マーケティング・戦略における内部環境要因しか考慮しておらず、マトリックスによる分類において市場や競合等の外部環境要因を考慮するという要素を考慮していません。
また、自社製品の分析の為に競合製品群から市場分析の対象となる製品を指定し顧客毎の売上に基づいてマトリックス表を表示するという考え方すら存在しませんでした。

その点、本発明は、マーケティング・戦略の根幹であり最も繁用されるビジネスフレームのひとつである3C分析、つまり、競争市場における外部環境要因である市場/顧客及び競合と、内部環境要因である自社との相対的な関係に関する分析を定量的かつ視覚化することを実現します。
これにより、戦略を立てたものの、その後実際に実施した戦略が適切であったか否かを追跡的に評価することができなかったという従来の課題を解決することができ、更には 、選択した製品毎に戦略を立て追跡的に評価することができるのです。

分析ツールは試作段階のためご感想、ご助言をいただける方を探しています。

「本社一元管理の最大公約数の戦略プランから個別化戦略プランへの転換による効率最大化」

本社一元管理の戦略プランは最大公約数のため、必ずしも当てはまらないケースが生じてしまいます。
 
問題はこのズレが大きくなるほど、本社と営業現場との温度差を生み、心理的な壁となることで戦略プランそのものが機能不全に陥ることが起きます。
 
市場の偏在と競争環境の多様化により、これまでのような本社一元管理の戦略プランでは対応することがますます難しくなっており、さらに大きなズレを生むことになります。
 
本社の戦略プランングの手法を市場規模に合わせスケールダウンし、同じ手法で再現するフラクタル型組織を構築できれば、全ての階層で組織全体と同じ意思決定のプロセスを共有し、現在の変化のスピードが速い競争市場であっても柔軟で俊敏な判断力と行動力を発揮することが出来ます。
 
そのためには客観的で再現性があり、誰にでも簡単にできる標準化された戦略プランニングのプロセスが不可欠です。

マトリクス分析法は定量データと数式を組み合わせプロセスを標準化することで客観性と再現性に優れた戦略プランニングの手法です。


 

売手と買手で成立するビジネスにおいて、収益を上げるうえで最も重要なことは顧客の獲得です。

火事に見舞われた呉服屋が真っ先に守るのは商品である呉服でもお金でもなく、顧客台帳(顧客リスト)だったそうです。

分散市場に存在する不特定多数から受注確率の高い顧客を抽出して顧客リストを作成する消費材マーケティングとは異なり、製薬会社は顧客である医師のリストを予め所有した状態から営業活動が始まります。

このリストの中には自社製品の認知や処方意欲の低い顧客から高い顧客、また自社製品のシェアが高い顧客と競合製品のシェアが高い顧客が渾然一体となっています。

すなわち受注確率が検証されていない顧客リストです。

言うまでもなく市場規模の大小だけでは受注確率は計れません。

様々な市場環境が区別なく混在する顧客を、効率良く売上を向上することが出来るように分類するための判断基準理論が必要です。

市場縮小により厳しくなる競争市場では、市場/顧客、競合、自社の3C分析による顧客分類と、分類結果に基づく戦略プラン、そして実行のトラッキングが必要になります。

この一連のプロセスを本社から営業現場まで標準化するフラクタル型組織を構築できれば、全ての階層で組織全体と同じ意思決定のプロセスを共有し、現在の変化のスピードが速い競争市場であっても柔軟で俊敏な判断力と行動力を発揮することが出来ます。

マトリクス分析法とIQVIA社のDDDデータの組合せで実現可能です。

NDBデータベースからある製品クラスの売上データを抽出し検証を行いました。 
2014年の分散型市場から一強型へ推移を示す典型的な競争環境の事例です。 
どの製品にもNo1になれるチャンスがあった分散型市場での戦略がその後の競争地位を決定付けるターニングポイントになっています。
IG錠はLA錠およびEQ錠とシェアが交差する前後が非常に重要なターニングポイントであったといえます。
IG錠は2015年から成長が鈍化し、成長を続ける競合製品に追い上げられるようになりました。
三番手に陥落する2016年はLA錠を競争目標としながらも、まずは拮抗するEQ錠を攻撃目標に据えて攻略しシェアを奪うことが出来れば、LA錠が射程距離圏内の攻撃目標となることで再度No1になる可能性がありました。
推測ですが当初1位であった成功体験から、下位のEQ錠を攻撃目標とはせずに既にシェアが1位であったLA錠を攻撃目標としたのではないかと思われます。
本来であれば競合に市場を奪われることを阻止することに全力を注ぎ、まずはダウントレンドを止めることが優先課題です。
2018年以降は市場ライフサイクルが成熟期に入りシェア値は各製品ともフラットに推移しています。
成熟期の戦略として過剰な経営資源投入による消耗戦を回避しシェアの維持に転換するフェーズです。
そのため市場細分化によるポジショニングの再定義により細分化市場におけるNo1を獲得することでシェアを維持する戦略に切り替えたと考えられます。
(DVT市場でNo,1、PAD市場でNo,1など)
すなわち競争環境下では市場細分化により主戦場を決め、攻略すべき競合を定め、相対的に競合を上回るリソース量の投下を決めることが強者と弱者を決定付けることになります。
結果論だと思われるかもしれませんが決してそうではありません。
常に自社の競争地位と競争優位性を見極めながら3C分析に基づいて相対的に戦略を立てれば格段に成功確率は高くなります。

IT技術の向上により様々な営業活動を支援するソリューションが整備されるようになりました。
 
これらのソリューションの効果を最大化する循環モデルとはどのようなものでしょうか?
 
数多くのデータが並ぶダッシュボードで営業担当者が最もトラッキング頻度が高いであろう売手データを起点とした循環モデルをデザインしてみました。
 
IQVIA社のDDDなどの受発注データから市場環境を把握し、マトリクス分析法で売上向上のために攻略すべき顧客のターゲットフレームを決めたうえで、フレームが示す3C分析から自社製品の典型的なターゲットとなる顧客像を設定します。
 
ペルソナを設定したら、ペルソナに即したマーケティングプランを立て、プランが最大機能するように営業担当者のスキルアップのためのロールプレイングツールやパフォーマンスモデルを導入、実施します。
 
実際の活動フェーズではSFEやCRMを活用し営業担当者の活動の効率化をサポートします。
 
活動の一定期間後に評価を行い再び「測定」に戻る循環モデルです。
 
貴社では現状のソリューションが連携し、それらが循環することで期待した処方インパクトが得られているでしょうか?

営業担当者とは良くも悪くも属人的な側面を持っています。

顧客のことは誰よりも自分が一番知っているという自負があります。

そのために本社や上司の指示に従わず自らの判断で行動する営業担当者が存在します。

営業管理職も元は営業担当者であることが殆どでしょう。

属人的特性の両者が経験値や感覚で話し合っても双方が納得する結論にたどり着くことは難しく、ポジションパワーに勝る営業管理職が押し切るか、顧客状況をよく知る営業担当者に軍配が上がります。

そのような状況の解決方法としてコーチングがあります。

しかし営業担当者に対するセリングスキル研修と営業管理職に対するコーチング研修はご依頼の多い研修ですが、最も定着が難しく成果が得られにくい研修であることも事実です。

では経験値や感覚といた定性情報ではなく、共通の指標や共通の言語となる定量的で客観性のある指標があったらどうでしょうか?

予測不能なVUCAの時代ではこれまでの経験則や感覚に頼った従来型の判断や意思決定が通用しなくなります。

数多くのデータが並ぶダッシュボードで営業担当者が最もトラッキング頻度が高いであろう売手データから競争環境を視覚化するマトリクス分析法は共通の指標、共通の言語となり得るパワーツールです。

戦力は兵力数と武器性能で決まります。
 
戦力とは総合的な企業力を意味し、人的要因と製品力によって決まります。
 
製品力に差がなければ、企業力は人員数の2乗に比例すると言われています。
 
昨今の人員削減によって減少した兵力数のデジタルへの置き換えが推進されていますが期待したような処方インパクトは得られていません。
 
特に医薬品ビジネスでは様々な法的保護と規制により極めて限定的な市場環境における競争が行われることになります。
 
市場の縮小により競争環境はレース型からゲーム型競争市場へと転換し、顧客、競合、自社の3Cの中でも競合の要因が大きくなっています。
 
すなわち競争市場で競合に打ち勝つことが持続的な企業成長に不可欠だと言うことです。
 
同一化を余儀なくされる医薬品ビジネスでは兵力数である経営資源の適切なアロケーションが求められます。
 
3C、それも競合を意識したアロケーション設定には市場規模だけではなく競争地位/競争優位性を加味する必要があります。
 
マトリクス分析法なら市場規模と競争地位/競争優位性を数値化および視覚化し、分析、戦略立案、トラッキングが可能です。

市場規模から「顧客」、そして「個客」まで細分化してニーズに応えることが出来るAIですが、顧客の潜在的なニーズであるインサイトを測ることは苦手です。

AIは既に顕在化した個客ニーズに合わせた粒度の小さなサービスを提供することが出来る一方で、競合他社とのコモディティ化により差別化が図りづらく、競争優位性を得ることが出来ないといったデメリットが生じます。

そのために既存市場の衰退速度は抑制することが出来ても、潜在的な治療領域を開拓し、新たな市場を拡大することが出来ません。

さらに同一化はシェアを維持するために経営資源の投下が必要になる消耗戦を引き起こします。

顧客のインサイトを知るには、顧客の行動を観察し客観的に仮説検証を行うことで潜在的なニーズを発見することが出来るのです。

医薬品ビジネスにおける顧客の行動とはすなわち治療指針と処方傾向です。

治療指針と処方傾向はDDD(受発注データ)のシェア値から読み取ることが可能です。

マーケットシェア理論を用いたマトリクス分析なら数値化と視覚化によって顧客インサイトを明らかにします。

マーケティングプランが機能しないと悩んでいませんか?
 
もしかしたら「手段」のループにはまっているからかもしれません。
 
目的を実現するためのプロセスである「目的」「目的を実現するための指針」「目的を実現するための手段」においてマーケティングは「目的を実現するための手段」に位置します。
 
「目的」はKGI(重要目標達成指標)、「指針」はKSF(重要成功要因)、「手段」はKPI(重要業績評価指標)と置き換えることが出来るでしょう。
 
「指針」での定義を「手段」である具体的な実行計画に落とし込み、DMAICのサイクルを回すことになります。
 
そのため「指針」に対してではなく「手段」の結果に対してPDCAサイクルを回すだけでは「手段」を実行した結果に対する後追いとなりテイルチェイシングが起きます。
 
その結果、さらに「手段」に対するソリューションの過剰な投入を招きかえって不確実性を高める結果となります。
 
市場の成長に伴い売上を増やすことが出来た成長期とは異なり、市場縮小により競争環境が厳しい現在のゲーム型競争の医薬品市場では「手段」の上位概念である「指針」の重要性が高くなります。
 
マトリクス分析は「指針」を定量化、視覚化する手法です。
 

あなたはどこでNo,1を獲得しますか?
 
市場が縮小するゲーム型競争市場ではシェアの確保と消耗戦を回避するための戦略が重要です。
 
戦略として、どこで戦うのか? 誰を攻略するのか?リソース量と配分は?を決めること、すなわちSTPを決定することです。
 
抗アレルギー剤市場のように先発医薬品と後発医薬品が入り乱れ、いずれの製品もシェア値が10%にも満たないような市場では主戦場の設定がシェアの確保と消耗戦を回避のためには重要となります。
 
全体市場でNo,1になるのか、先発医薬品市場で、あるいは後発医薬品市場で、または特定の競合製品との競争に勝つのか、その市場を決めたうえでDDD(受発注データ)を抽出して分析と戦略プラン二ングおよびトラッキングすることになります。