サッカーワールドカップなどの大規模なトーナメントでは、「死の組」と呼ばれる非常に競争が激しいグループがしばしば存在します。この「死の組」は、複数の強豪国が同じグループに属することで、そのグループから次のラウンドへ進出するための競争が非常に厳しいものになります。

 トーナメントを勝ち上がるために、多くのチームやコーチ、ファンは自チームができるだけ遅い段階で強豪チームと対戦することを望みます。初期のラウンドで弱いチームと対戦することが出来れば、敗退のリスクを下げ、勝ち上がる確率を高めることが期待できるからです。

 なので、出来るだけ強豪チームとは速い段階で当たりたくないと考えるのが普通です。しかしビジネスの世界では自社の経営資源や競争優位性に関わらず、パレートの法則などによる高市場先を優先する戦略が見受けられます。

 これは過度な経営資源の集中を招き、消耗戦と競争環境を一層厳しくします。その結果、全てを賭けるリスクの高い玉砕戦略が採用されることになります。その理由は多岐に渡りますが、一つの重要な要因は、競合との比較での自社の経営資源や競争優位性の評価が適切に行われていない場合があるという点です。

①市場の誤解
市場の需要や競合の状況を誤って理解している場合、過大なリスクを伴う戦略が合理的であると誤認することがあります。

②過剰な自信
経営陣が自社の能力や製品の優位性を過大評価している場合、現実的でない高い目標を設定し、それを達成するために過剰なリスクを取ることがあります。

③短期的圧力
株主からの短期的な成果の要求や市場からのプレッシャーが強い場合、持続可能でない戦略を追求することになることがあります。

 勝つか負けるかわからにものは戦略とは言えません。必ず勝つ、絶対に負けないのが戦略です。経営資源や競争優位性を現実的に評価し、戦略を慎重に策定することが重要です。また、市場や技術の動向を継続的に監視し、必要に応じて戦略を修正する柔軟性も必要とされます。

DXS Stratify®はマーケットシェア理論により競争地位および競争優位性を数値化し可視化することが出来ます。そのため客観的に市場内における自社の優位性を知ることが出来ます。