シェア値を基に、競争地位および競争優位性を把握することで、対象セグメントに投入すべき戦力の必要量が判断できます。主な選択肢は「維持」、「強化」、「撤退」の3つであり、戦力を確保できる場合の「検討」も加えて4つの選択肢があります。

 例えば、同一市場に自社の他に競合他社が複数存在する多者間競争のケースで、自社製品のシェア値が21%、競合製品のシェア値が26%の場合では、その差はわずかのようでも、現実的には現在投入している経営資源の2.7倍を投入しなければ勝てる可能性はありません。

 別の例として、自社製品のシェアが21%であり、競合製品が36.3%と17%の差がある場合、マーケットシェア理論に基づくと、競合製品は射程距離圏外となり、「絶対に追いつけない、諦める」という結論になります。

 この状況を理解しないで営業担当者に競合を上回る売上を求めることは、戦略的に見ても悲劇に等しいです。戦略でいえば「玉砕」です。そのため指示する者はそれに見合う戦力量を与えることを理解しなければいけません。

 このような場合、投入可能なセグメントに経営資源を集中させ、確実に勝利を収めることが重要です。そして、自社の競争優位性が発揮できるセグメントをドミナントに展開することが成長への唯一の道です。

 例外として、圧倒的な経営資源を有する市場内の強者は、その資源を活用して市場全体に対する戦略を展開することができます。

 DXS Stratify®のマトリクスフレーム分析を用いると、「必ず勝つ、絶対に負けない」セグメントを定量化および可視化することで、戦略的な意思決定を支援します。