S.I Labが提唱するマトリクス分析による戦略プランニングの手法は、定量データを用いた数学的アプローチからの全く新しい分析手法です。

マトリクス分析はその新規性と進歩性により、経済産業省 特許庁より特許番号:特許第7101426号を取得しています。

特許の対象となったのは「市場分析システム、市場分析プログラムおよび市場分析方法」です。

分析のための専門的な知識やスキルは必要なく、誰でも簡単に分析することが出来る客観的で再現性に優れた独自のものです。

入力データの範囲に応じて、「全社戦略」、「エリア戦略」、「担当者ごとの戦略」の全てが同じロジックによって分析されることで、組織全ての階層で全体と同じ意思決断をおこなうことが出来ます。

そのためスピーディな判断力と行動力を発揮できるフラクタル型組織を実現します。

分析に用いる定量データは受発注データを用います。

受発注データは市場環境、顧客の消費行動、競合との競争状況を最も敏感に反映する指標です。

製薬業界はその受発注データを入手できる極めて稀な業界です。

受発注データほど正確でアップデートが早く、かつ定量的な情報は、アンケート調査やローラー調査をしても到底入手することは出来ません。

受発注データの代表はIQVIA社が提供するDDDと呼ばれるもので、多くの製薬企業が購入し営業担当者がいつでも閲覧できるようにダッシュボードに表示させています。

受発注データは予め数値化された定量データのため、印象や推論、経験値や感覚に基づく意思決定ではなく、客観的に顧客の治療方針や処方傾向、および競合の状況を追跡、分析、評価することで効率よく自社製品の処方につなげることができます。

さらに受発注データは定期的に更新されるため、最新のデータを用いることで戦略を常に最適な状態に維持することが出来ます。

マトリクス分析では受発注データを基に「市場規模」、「競争地位」、「競争優位性」の3つの指標を用いて分析を行います。

パレートの法則によって「市場規模」を3分位とした軸と、各製品のシェア値を基にマーケットシェア理論を用いて市場内の順位である「競争地位」と、競合との優劣を示す『競争優位性』を数式化した4分位の2軸の掛け合わせによって12のフレームに顧客数をマトリクス表示させます。

パレートの法則を用いれば見返りの大きい顧客数と優先順位を視覚的に把握することが出来ますが、パレートの法則だけを用いたターゲティングでは、競合との相対的な競争状況が分からず「必ず勝つ、絶対に負けない」ための戦略を立てることが出来ません。

「必ず勝つ、絶対に負けない」戦略を立てるためには競争地位と競争優位性を用いた市場における競合状況を加味した指標が必要です。

ビジネスフレームワークにおけるターゲットは顧客を指しますが軍事用語に由来する「戦略」が意味するターゲットとは競合です。

特に、市場が縮小傾向にある衰退期ではゼロサムゲームとなり、片方が売上を伸ばせばもう片方は売上を奪われることになります。

自社製品のターゲット顧客を奪い合う相手とは誰なのかを正しく理解し対策を立てなければ勝つことは難しくなるでしょう。

マトリクス分析のアルゴリズムでは分析結果から4つの戦略プランが導き出されます。

競合の脅威が低い「圧倒的強者」から勝つ見込みがほとんどない「圏外弱者」まで4つのタイプ分類に市場規模を加味することで優先順位はもちろんのこと、経営資源の配分、戦略と戦術が明確になります。

特許取得記念として、お問い合わせからお申し込みいただければ個別の相談会を実施させていただきます。

実際に貴社の受発注データを用いての分析も可能ですので是非お申し付けください。

パレートの法則に従っていつまでも大きな市場や売上高の大きな製品に対して経営資源を投入し続けることは消耗戦につながります。

自社だけでなく競合も市場と売上を死守するために同様に経営資源を集中投下してくるからです。

お互い自ら骨身を削り合い損失を無視して大量に経営資源を投入することで企業体力に勝る側が勝利することになりますが例え勝ち残ったとしても市場価値が既に失われていたのでは身も蓋もありません。

最適な経営資源配分を判断する経営手法としてプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)が有名です。

PPMは1970年代にボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の開発した製品および事業のポートフォリオのフレームワークです。

横軸に経験曲線効果に基づく相対的市場シェア、縦軸に製品ライフサイクル理論に基づく市場成長性を数値で表現する4象限のマトリクスにより、製品・事業の位置づけと組み合わせを一覧することができます。

これにより、企業が展開する複数の製品・事業の戦略の方向性を検討します。

問題児(育成すべき段階)、花形(現在の取り組みを維持・継続する段階)、(金のなる木(投資を抑えて収益を回収・収穫する段階)、(負け犬(撤退する段階)の4象限は皆さんご存知でしょう。

PPMで横軸に用いる相対的市場シェアは、市場全体の売り上げを対象として導き出す絶対的市場シェア率とは異なり、ある特定の競合他社におけるシェア率を対象として算出するシェア率です。

比較対象が1社で自社が比較対象よりシェアが大きい場合には相対的市場シェアは1より大きくなります。

相対的市場シェアは競争力を的確に示す指標として事業戦略検討のための分析手法です。