パレートの法則に従っていつまでも大きな市場や売上高の大きな製品に対して経営資源を投入し続けることは消耗戦につながります。

自社だけでなく競合も市場と売上を死守するために同様に経営資源を集中投下してくるからです。

お互い自ら骨身を削り合い損失を無視して大量に経営資源を投入することで企業体力に勝る側が勝利することになりますが例え勝ち残ったとしても市場価値が既に失われていたのでは身も蓋もありません。

最適な経営資源配分を判断する経営手法としてプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)が有名です。

PPMは1970年代にボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の開発した製品および事業のポートフォリオのフレームワークです。

横軸に経験曲線効果に基づく相対的市場シェア、縦軸に製品ライフサイクル理論に基づく市場成長性を数値で表現する4象限のマトリクスにより、製品・事業の位置づけと組み合わせを一覧することができます。

これにより、企業が展開する複数の製品・事業の戦略の方向性を検討します。

問題児(育成すべき段階)、花形(現在の取り組みを維持・継続する段階)、(金のなる木(投資を抑えて収益を回収・収穫する段階)、(負け犬(撤退する段階)の4象限は皆さんご存知でしょう。

PPMで横軸に用いる相対的市場シェアは、市場全体の売り上げを対象として導き出す絶対的市場シェア率とは異なり、ある特定の競合他社におけるシェア率を対象として算出するシェア率です。

比較対象が1社で自社が比較対象よりシェアが大きい場合には相対的市場シェアは1より大きくなります。

相対的市場シェアは競争力を的確に示す指標として事業戦略検討のための分析手法です。