私のように数字を拠り所に仕事をする人間にとって、数字はファクトでありエビデンスです。

しかしその数字がミスリードを誘うこともあります。

昨今の過剰ともいえるコロナ報道を見ていると数字の意味するところの理解が追い付かず混乱することがあります。

例えば連日、感染者数(陽性者数)を前同日比や前同曜日比など普段あまり使わない指標を用いて実数報告したと思えば、病床については利用率と%で表示したりしています。

%だけでは絶対数が分からないため大小の判断が出来ません。

気になったので全国の都道府県別に一般病床数とコロナ病床数を比較してみました。

私は医療法人の顧問もさせていただいており、その病院ではコロナ病床数は2床持っています。

つまり1人入院すれば50%の利用率となるわけです。

病院経営において空床率は収益性に大きく影響します。

アパート経営の空室と同じで空床では利益が出せません。

病床稼働率が85%を下回れば完全に赤字です。

病床コントロールを行って90%以上を維持したいところです。

一般病床数とコロナ病床数を比較したところ、コロナ病床数は一般病床数に対して4%前後と限られています。

2類から5類への変更が議論されますが、一般病床に受け入れが可能になれば理論上は受け入れには余力がありそうです。

同じ定量情報であっても絶対数を用いたり、割合を用いたりする際は何を目的としているのか注意して用いるようにしましょう。