ゲノム情報の集積・分析や生体機能の改変等に関する技術の急速な進歩により、医薬品開発の中心が「抗体医薬」に移行したことで、国内のバイオベンチャー・スタートアップ企業が増えています。

米国では新薬の半分がベンチャー企業によるものだと言われており、日本はまだまだ遅れているようです。

一方で大手製薬企業は製薬企業同士の合従連衡によりその数を減らしています。

今後、医薬品ビジネスの勢力図はどのようになっていくのでしょうか?

巨大企業が新興企業の前に力を失う理由を説明した企業経営の理論に「イノベーションのジレンマ」というのがあります。

なぜ、経営資源に勝る大手製薬企業が破壊的イノベーションを前に市場を明け渡してしまうのでしょうか?

大手製薬企業は新薬発売の際には市場や顧客ニーズなど得られる利益について十分な調査を行います。

そのため顕在化していないニーズに気が付きにくく、また市場規模が小さいため利益が得られないと判断することで新市場を切り開くチャンスを見逃してしまうということが起きます。

しかし規模の小さなベンチャー企業にとっては十分な利益を期待できる市場規模であるため、革新的な新技術によって新市場を開拓、選挙することが出来るというわけです。

大手製薬企業は全体市場を好み特定市場を避ける傾向がありますが、現在のようにブロックバスター製品が期待できないフェーズでは「ニッチ市場」戦略は検討すべきと言えます。