ランチェスターの法則では「武器の性能が同じであれば、兵力数に勝る方が勝つ」とされています。

戦略策定においては「必ず勝つ、絶対に負けない」ことが重要なポイントです。

様々な法規制や薬価制度、学会の治療指針やガイドラインなどの制約が多い医薬品ビジネスでは、製品やサービスによる差別化が非常に難しく、全てが相対的価値として比較されます。

消費財マーケティングであれば、競合が不在、つまり対抗する兵力数がゼロの状況で戦うことを目指すことも出来ます。

しかし医薬品ビジネスにおいては、適応症に限定した使用と医師による処方箋の必要性、薬価制度やガイドラインなどによる、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの選択に制限があります。

すなわち極めて限局的な市場における同一化した競合と市場を奪い合う、究極のレッドオーシャンマーケティングです。

市場が拡大する成長期であれば、勝者になれなくとも敗者になることもありませんでした。

いわゆる、好況期・成長期における順位を競うレース型の経済です。

しかし昨今のビジネス環境は、不況期・成熟期における勝ち負けを競うゲーム型経済の時代です。

特殊性を理解した戦略プランニング手法の必要があります。