クープマンモデルでは市場シェア値が7%以下の場合は「撤退の基準」となります。

自社製品のシェア値が7%未満の場合どうすればよいか?撤退すべきか?

セミナーの参加者から多く寄せられる質問の一つです。

自社製品のシェア値が7%以下のケースには、

①ロンチ後間もない

②市場参入後、一定の時間が経過しているが思うようにシェア値が伸びない

③シェア値ダウンにより7%以下になった

の3つがあるかと思います。

市場参入時はどの製品もシェア値はゼロからのスタートになります。

ですので自社製品のシェア値が7%以下だからといって、全てのケースで撤退すべきというわけではありません。

7%以下というシェア値から競争地位を理解し、自社製品は非常に脆弱な状態だということを踏まえた上で戦略を策定することが大切です。

勝つか負けるか分からない、勝ち目のない競合製品への無謀な攻撃は行わず、絶対に勝てる(確実にシェアアップできる)戦略を策定することが重要なポイントです。

また全体市場における自社製品のシェア値が7%であっても、市場を細分化し自社がターゲットとしたセグメント内で高シェアであれば良いのです。

現在のセグメント攻略に成功した後にドミナント戦略で新たに細分化した市場を攻略することで7%、11%、19%とシェアを高めるロードマップを検討してください。

撤退を検討すべきは③のケースです。

現在のシェア値を維持するか、経営資源の投入を止めて別製品に振り分けるか判断が必要です。

武田薬品はなぜ糖尿病領域から撤退するのか – SI.Lab 戦略向上研究会 (si-lab.work)

勝負を決めるのはAbです。

ここを勝ち抜けた者の価値です。

オセロゲームでいうところの角4つです。

競合の戦力3倍(√3倍)を投入します。

同行、MSの共闘、コールなどリソースを集中投下します。

抗腫瘍薬市場における薬効内トップ製品の座をオプジーボがキイトルーダから取り返しました。

オプジーボが全医薬品売上で総合1位となるのは、16年第4四半期(10~12月)以来のことです。

オプジーボがキイトルーダに差をつけられた理由は適応追加の後れによるものです。

両剤の戦いは同一市場を奪い合うのではなく、抗腫瘍薬市場を適応症で細分化し、適応拡大によって占拠率を高める戦いです。

同一市場には競合が存在しないため、営業力ではなく販売力によって売上を向上させることが出来ます。

適応症を拡大することで売上を増やす戦略は、アンゾフの成長マトリクスの4象限における、新市場開拓戦略(既存商品×新規市場)にあたります。

新市場開拓戦略とは既存製品を新たな市場に展開する戦略です。

販売セグメントやターゲット層など新たな市場に参入することにより開発コストを抑えつつ市場を拡大します。

ただし、新規市場の製品ライフサイクルが成熟期、衰退期に差しかかる場合は、市場縮小の煽りを受ける可能性が高いため検討が必要です。

EXCELを用いたFORECASTではまだまだ市場は伸びそうです(*患者数ではなく死者数を用いています、正解な予測ではありません)。

プライマリー領域のように全体市場に多くの似通った競合製品が参入し、しのぎを削り合うビジネススタイルとは大きく異なります。

この場合では販売力より営業力がものを言うでしょう。

市場が飽和期を迎えることで、将来的にはオンコロジー領域もプライマリー領域と同様なフェーズを迎える時期が来ると思いますが、現時点ではプライマリー領域、オンコロジー領域のビジネススタイルの違いは興味深い事例ですね。

2021年3月末時点でのMR数がMR認定センターより発表されました。

TREND関数による試算では今後の10年間でさらに33%が減少します。

戦いにおける基本原則は「数が多い方が有利」です。

市場の縮小に伴い医薬品マーケットはレッドオーシャン市場です。

衰退期ではパレートの法則が発動します。

つまり競合他社との競争に勝った一握りの勝者だけが生き残ることが出来るということです。

戦力のダウンを何かで補う必要があります。

しかし多くの製薬企業がデジタルによる情報提供に切り替えを進めていますが、期待した処方インパクトが得られていないのが現状です。

最適なコミュニケーションチャネルを見つけ、機能させることが出来る企業だけが生き残ることが出来るでしょう。

下記内容にてセミナーを開催させていただきます。

添付の申し込み用紙をご利用ください、受講料の割引が受けられます。

是非、職場の方にもご紹介をお願い致します。

皆様のご参加をお待ちしております。

「売上データで分かるリモート時代の営業戦略プランニング【LIVE配信】」

HP:https://www.rdsc.co.jp/seminar/220335

開催日時2022年03月17日(木) 10:30~16:30

主催(株)R&D支援センター

問い合わせTel:03-5857-4811 

E-mail:info@rdsc.co.jp 問い合わせフォーム

開催場所【WEB限定セミナー】※会社やご自宅でご受講下さい。 

弱者は最初から最大市場を狙わず、小さな勝利を積み重ねることが戦略の基本ですが、リターンの小さな小さい市場を積み重ねていてはシェアが高まるにつれカバー範囲が広くなり負担になるのでは?

セミナーにご参加いただいた方からのご質問をいただきました。

確かにご指摘の通りですが、小さな市場の捉え方次第で解決出来る課題です。

大きな市場規模がある顧客は大学病院や基幹病院です。

その場合には病院内を細分化します。

まずは内分泌代謝内科から攻略を開始し、順次他の診療科まで市場拡大をする方法です。

こうすれば経営資源の集中が出来ますし移動時間やその他の重複する業務を軽減しつつ市場を拡大することが可能です。

診療科でなくても、対象患者を細分化する方法もあります。

新患や切替、追加処方など対象患者数は少なくとも競合の主戦場ではないセグメントでシェアを拡大します。

医薬品は一般消費材とは異なり流行りすたりがなく、また一旦処方された薬剤の切替は簡単ではありません。

つまり着実に積み重ねることが可能だということです。

最大市場を市場細分し、着実にシェアを拡大することで最大市場を狙います。

セミナーにご参加いただいた方から、ロンチが思うようにいかず時間が経過してしまった製品の戦略についてご質問がありました。

時間が経過しているので発売時とは状況が変わっているはずです。

再度、PEST分析で外部環境分析を行いSWOT分析を行ってみてください。

発売時は自社にとって弱み/脅威であったことが時間経過によって強み/機会になっている可能性があります。

例えば週一製剤など、ロンチに失敗した製品がありますがコロナの影響では機会になっている可能性が大いにあります。

コロナの影響は分析においてはビッグワードですが、逆に言えば誰もが納得するパワーワードでもあります。

戦略は常に相対的に変化するものです。

変化に俊敏かつ柔軟に対応することが大切です。

顧客のインターフェースであるMRは非常に多くの情報を持っています。

しかし情報そのもはただのエピソードに過ぎません。

ベストプラクティスが社内で共有されることがあると思いますが、そっくりそのまま真似をすることで果たして同じ成果を得ることが出来るでしょうか?

マッジックワードは存在しないので、「こんなメッセージで処方を獲得した」ということは再現性がありません。

でも、同じ状況、同じ背景因子を持つ顧客であれば再現性は高くなります。

自社製品を多く処方している顧客と、競合製品を多く処方している顧客を一緒くたにして分析しても思うような結論を出すことは不可能です。

特に知りたい情報は競合と拮抗状態にある顧客です。

このフレームは勝つか負けるの瀬戸際で、必ず勝つ必要があります。

また、12のマトリクスを用いれば競合の動きも予測が可能です。

戦略における市場細分化と同様に、分析においても細分化は必須です。

12のマトリクスを用いてフィルターをかけることでエピソードはエビデンスになります。

さて、医薬品ビジネスにおける自社製品のモデル式は書けたでしょうか?

総売上は全ての項目の掛け合わせで算出されます。

EXCELなどで計算式を埋め込んでおけば、どの項目を変数として増減させれば売上が上がるのかが簡単に視覚化することが出来ます。

それを「目的」、「ゴール」、「目標」、すなわちKGI、KSF、KPIとして設定するわけです。

そうすれば客観性が高くなり、納得が得られやすくなり実効性が高まります。