抗腫瘍薬市場における薬効内トップ製品の座をオプジーボがキイトルーダから取り返しました。

オプジーボが全医薬品売上で総合1位となるのは、16年第4四半期(10~12月)以来のことです。

オプジーボがキイトルーダに差をつけられた理由は適応追加の後れによるものです。

両剤の戦いは同一市場を奪い合うのではなく、抗腫瘍薬市場を適応症で細分化し、適応拡大によって占拠率を高める戦いです。

同一市場には競合が存在しないため、営業力ではなく販売力によって売上を向上させることが出来ます。

適応症を拡大することで売上を増やす戦略は、アンゾフの成長マトリクスの4象限における、新市場開拓戦略(既存商品×新規市場)にあたります。

新市場開拓戦略とは既存製品を新たな市場に展開する戦略です。

販売セグメントやターゲット層など新たな市場に参入することにより開発コストを抑えつつ市場を拡大します。

ただし、新規市場の製品ライフサイクルが成熟期、衰退期に差しかかる場合は、市場縮小の煽りを受ける可能性が高いため検討が必要です。

EXCELを用いたFORECASTではまだまだ市場は伸びそうです(*患者数ではなく死者数を用いています、正解な予測ではありません)。

プライマリー領域のように全体市場に多くの似通った競合製品が参入し、しのぎを削り合うビジネススタイルとは大きく異なります。

この場合では販売力より営業力がものを言うでしょう。

市場が飽和期を迎えることで、将来的にはオンコロジー領域もプライマリー領域と同様なフェーズを迎える時期が来ると思いますが、現時点ではプライマリー領域、オンコロジー領域のビジネススタイルの違いは興味深い事例ですね。