老舗製薬企業の一つである田辺三菱製薬は、昨年3月に上場廃止し三菱ケミカルホールディングスグループの完全子会社となりました。

2期連続の営業赤字を見込むなど苦戦が続く中、成長戦略の柱として “プレシジョンメディシン” と “アラウンドピルソリューション”の提供を提唱しています。

プレシジョンメディシンとは適切な医療を、適切なタイミング、適切な患者さんに届けることにより患者さんの治療満足度を高め、アラウンドピルソリューションとは治療薬を起点とし、予防から予後にかけてソリューションを提供することです。

簡単に言えば早期発見、早期治療、継続的治療の患者の囲い込みと言えるでしょう。

人口減少により、医薬品マーケットはパイを奪い合うゼロサムゲームです。

薬物治療を開始するフェーズからの競争では遅すぎます。

これはペーシェントトリートメントフローにおけるバリューチェーン戦略でもあります。

治療における各フェーズで価値提供を実現し、顧客を獲得したら手放さない戦略です。

さてこの戦略は赤字から黒字へ転換の起爆剤となるでしょうか?