昨年行われたMR認定試験の合格者が試験制度開始以来、初めて1000人を下回ったそうです。合わせて製薬企業のMRの新卒採用も減少しています。MRという存在がなくなることは無いと言われていますが、この傾向を見ると製薬企業はMRを限りなくゼロにしようとしているのでは?と思えてきます。

一方で市場の偏在や顧客ニーズの多様化の中で、より一層提供する価値を個々のニーズに合わせることが求められています。そのため本社一元管理の下での指示では多様性に対応することが難しいため、顧客と対面するMRによる自律的な行動が必要になります。

もしMR自身で担当顧客のデータを分析し、戦略から実行計画を作成できるようになったら、どのような変化が起こるでしょうか?

①トップダウン式の指示に従うだけでなく、自身で戦略を立案し実行に移すことで、意欲が向上し、自己実現の機会が増え、仕事に対する満足感が高まる可能性があります。

②顧客のデータを自分で分析することで、顧客のニーズや問題点をより深く理解できるようになり、顧客に対する提案の質を高め、よりパーソナライズされたサービスを提供できるようになります。

③営業戦略と実行計画が顧客のニーズに密接に合わせて作成されるため、売上の向上が期待できます。顧客満足度の向上も売上増加に貢献し、長期的な顧客関係の構築につながります。

④トップダウン式の指示を待つことなく、MRが自らの判断で迅速に行動できるようになります。市場の変化や顧客の要望に対して柔軟かつ迅速に対応できるようになり、競争優位性を保つことができます。

⑤MRがそれぞれの顧客に合わせた戦略を共有し合うことで、チーム内のコミュニケーションが活発になり、相互の学習と協力の機会が増えます。

もちろん、本社にとっても、MR自身が担当顧客のデータを分析し、戦略から実行計画を作成できるようになることには多くのメリットがあります

⑥自ら考え行動する文化が育つことで、新しいアイデアやアプローチが生まれやすくなり、組織全体のイノベーションが促進される可能性があります。

⑦MRが自律的に行動することで、本社の管理層は戦略立案や経営資源の配分など、より大局的な業務に集中できるようになります。これにより、組織全体の効率が向上します。

⑧フロントラインのMRが市場の変化に迅速に対応し、柔軟に戦略を調整できることで、本社は市場の変動に素早く適応することができます。これにより、競争優位性を維持し、市場の機会を最大限に活用できます。

⑨MRがそれぞれ異なるアプローチを試すことで、リスクを分散し、一つの戦略が失敗した場合の影響を軽減できます。また、多様な戦略から得られる学びは、組織全体のリスク管理に役立ちます。

⑩自律的な営業活動は、新しいアイデアやビジネスモデルの発見につながります。これらのイノベーションは、組織の成長を促進し、長期的な競争力を構築します。

⑪MRの自律性を高めることは、社員のモチベーションと職務満足度を向上させます。これは、低い離職率と高い社員エンゲージメントにつながり、組織全体のパフォーマンス向上に貢献します。

⑫MRが顧客に合わせたパーソナライズされたサービスを提供できるようになることで、顧客満足度が向上します。これは、顧客ロイヤルティの向上とブランド価値の強化につながります。

今後のMRは少数精鋭化を辿ることになるでしょう。単純にデジタル化が進む情報提供の補助的なチャネルとしての存在ではなく、顧客にとって真に価値のあるパートナーとなり、同時に組織は競争力を維持し、成長を続けることができます。自律性を促進することは、今日のビジネスリーダーにとって最優先の課題の一つであるべきです。

DXS Stratify®は直感的かつシンプルなデータ分析により、営業活動の精度を向上させ、売上インパクトを最大化します。