『ドラえもん』の主人公、のび太は、ジャイアンに直面するたびに、必ずドラえもんに助けを求めます。この行動は一見すると「臆病」に見えるかもしれませんが決してそうではありません。ビジネスの視点から見ると、これは非常に戦略的な選択だと言えます。
ジャイアンを市場における「強者」のポジションであり、のび太は「圧倒的に脆弱な弱者」です。そしてドラえもんはまさにその戦力差を埋めるための外部リソースと言えます。ドラえもんという強力なパートナーを得ることで、のび太はジャイアンとの不利な状況を少しでも埋めようと試みているのです。
しかし、ドラえもんを擁してもなお、ジャイアンとの圧倒的な戦力差を完全に埋めることは難しいのが現実です。ここで次に重要になるのが戦術です。戦略が「主戦場と戦力配分を決めること」だとすれば、戦術は「具体的な対応策」を指します。ドラえもんにおける戦術とは、四次元ポケットから取り出される多種多様な「ひみつ道具」に他なりません。これらの道具は、のび太のピンチを方法で救うための具体的な「打ち手」となるわけです。
ここで肝心なのは、戦術は戦略があって初めて機能するという点です。戦略のない戦術は、例えるなら、受験勉強において自分の偏差値を知らずに志望校を決めるようなものです。これでは合格するかどうか予測不能な、単なる「ギャンブル」になってしまいます。
皆さんはビジネスにおいて、「ドラえもーん、なんか出してーーー!」と、戦略がないまま漠然と解決策を求めてはいないでしょうか? 強力なツールやサービス(ひみつ道具)を導入する前に、まずは自社の立ち位置、競合との関係性、そして目指すべきゴールを明確にする「戦略」が不可欠です。
あなたのビジネスに、明確な戦略はありますか?そしてその戦略に基づいた「ひみつ道具」を、効果的に使いこなせているでしょうか?
