世界の製薬ブランド上位50社のうち、実に47社がVeevaのクラウドCRMサービスに依存しています。これは製薬業界には同質化の体質があり、競合他社に対する競争意識の低いことがわかります。
製薬業界におけるターゲット顧客は、主に医師や医療機関であり、極めて明確で限定的です。そのため、企業ごとに異なる顧客基盤を持つことが難しく、すべての企業が同じ顧客層に対して同じVeeva CRMを活用するという状況に陥っています。結果として、顧客へのアプローチや提供価値が一様化し、差別化が非常に難しい状態が生じています。
同質的な顧客管理がもたらすリスク
Veevaを通じて標準化された顧客管理は、業務効率化には寄与するものの、競争優位性を生む要因にはなりえないというリスクがあります。顧客管理ツールが同じで、かつターゲット顧客も同一であることから、各社のアプローチが画一化し、顧客から見た企業の印象に大差が生じにくくなります。特に、市場が縮小しゼロサムゲームの競争が激化する中では、自ら差別化を難しくし、競争力の低下を招いていると言えます。
Salesforceの参入による新たな可能性
Salesforceが新たに製薬向けCRM市場に参入することで、Veeva一辺倒の環境に変化がもたらされる可能性があります。Salesforceは、より柔軟なカスタマイズ性と高度なデータ活用機能を提供することで、製薬企業が競合と異なる独自の顧客アプローチを構築できる余地を提供します。CRMの選択肢が増えることで、業界全体が一様化から脱却し、企業ごとの差別化が可能になる一歩が期待されます。
まとめ
製薬企業が同一のVeeva CRMに依存し、さらにターゲット顧客が重なるという現状は、競争環境の均質化を助長し、競争優位性の確立を難しくしています。ゼロサム市場での成功には、単なる効率化を超えた独自の付加価値創出が必要です。競合他社との違いを生み出すことこそ競争優位性を生みます。

