現代は多くの情報が溢れており、もはや一つ一つを吟味することは不可能です。そのため、口コミなどのフィルタリングされた情報、すなわち多くの人が良いと評価するものを選択する傾向が強まっています。

このような傾向は、選挙においても見られます。マスメディアによる事前世論調査の結果が本選挙に影響を与えることが知られています。

これは「バンドワゴン(Bandwagon)効果」と呼ばれ、事前にマスメディアの選挙予測報道で優勢とされた候補者に投票する現象を指します。支持が多ければ多いほど、その候補者への支持が加速します。

別の言い方をすれば、「勝ち馬に乗る」ということです。特定の候補者を支持していない人は、どうせ投票するなら勝ち馬に乗ろうという心理が働くことがあります。特に対立や争いが起きると、早く収束させようという心理が働き、勝ち馬に乗る心理が加速します。

一方で、アンダードッグ効果はその逆です。事前にマスメディアの選挙予測報道などで劣勢とされた候補者に有権者が投票する現象を指します。劣勢だと伝えられると、同情票が集まります。一定数の「判官びいき」の人が存在します。

支持率(戦力量)が拮抗している場合には、対立の構図(差別化戦略)は有効ですが、支持率に圧倒的な差がある場合には、却って対立を収束させる勝ち馬に乗る心理が加速するために適切な戦略とは言えません。また支持者の選択を否定することで反発を受ける危険性があります。

その場合は、強者との対立を避けつつ、強者がやっていないが投票者にとっては価値のあるニッチな要望に応えるニッチ戦略が有効です。

当初は大きな価値を感じていたものの、時間と共に新鮮さが薄れた強者の提供する価値に対して、+αの付加価値を示すことで新鮮さや目新しさを訴求します。これにより、特定の候補者を支持していない層を取り込むことができます。

戦略は投票者、対立候補、そして自身の3Cに基づいて決める必要があります。最適な戦略は、常に外部環境の影響を受け、相対的に変化を必要とします。

DXS Stratify®は競争環境を定量化および可視化することで、戦略的な意思決定を支援します。