「勝者総取り化する国内医薬品の市場競争」

2023年の国内製薬企業の売上高から、競争環境を分析してみました。

Figure1

売上収益とランクの対数プロットは直線パターンを示しており、べき乗則分布を示しています。 これは、販売データがべき乗則分布に従っている可能性があることを示唆しており、「勝者総取り」の考え方を裏付けています。

Figure2

売上高の約86.39%が上位20%の企業によって占められていることがわかりました。これはパレートの法則に合致しており、少数の企業が市場を支配する「勝者総取り」のダイナミックを示しています。

この結果は、国内製薬業界がベキ分布の特性を示しており、少数のリーディング企業が売上を大きく占めていることを示しています。

外資系製薬企業を加えて分析するとどうなるでしょうか。

「SWOT分析はプランニングの前段階」

補助金申請に必要な事業計画書に、SWOT分析の結果を書くと良い傾向があるようです。

SWOT分析は古典的なビジネスフレームワークの代表格なので、実際にSWOTを用いた分析をされた方も多いと思います。

SWOT分析は、自社ビジネスの外部環境要因と内部環境要因から、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を洗い出し、分析する手法で、企業や事業の現状を把握するためのフレームワークです。

ここで重要なことは、「現状を把握するためのフレームワーク」ということです。

SWOT分析の結果から、自社の強みが発揮される「場所、相手、立ち位置」を決めることが目的です。

自社の強みが発揮される場所、相手、立ち位置とは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの、すなわち、STP分析です。

STP分析は、経営戦略を実現するための指針・方向性を定める、事業戦略に必要なプロセスです。

つまり、SWOT分析を行うには、まず外部・内部環境要因を洗い出すPEST分析が、自社の強みを抽出する3C分析が必要になります。

(以前の上司に、属人的なSWOT分析をして、ドヤ顔する方がおられました)

その上でSWOT分析を行い、目的としてのSTP分析を完成させます。

このように、プランニングプロセスはいくつもの分析過程を必要とします。自身の経験や感覚でフレームワークを埋めるだけでは不十分です。

正しくプランニングのプロセスを知ることが大切ですね。

競争市場において、競争地位(Competitive Position)および競争優位性(Competitive Advantage)は企業の成功を左右する重要な要素です。特に現在の市場縮小期には、これらの要素に注目することが一層重要となります。

1. 市場縮小期における競争地位の重要性

市場が縮小する時期には、企業が限られた市場シェアを維持または拡大することが難しくなります。このため、競争地位の評価と強化が不可欠です。

  1. リソースの最適化

縮小市場では、限られたリソースを最も効果的に配分する必要があります。

  • 戦略的意思決定の支援

競争地位を把握することで、取るべき戦略を明確にすることができます。

  • 競合の動向予測

競合他社の動向を予測し、適切な対応策を講じることができます。

2. 市場縮小期における競争優位性の重要性

競争優位性は、企業が競合他社に対して持つ独自の強みです。市場縮小期には、この競争優位性を最大限に活用することが生き残りの鍵となります。

  1. 顧客維持

新規顧客の獲得が難しくなるため、既存顧客を維持することが重要です。

  • 差別化戦略の実行

競合他社と差別化された価値を提供することで、価格競争から抜け出すことができます。

  1. 新市場への展開

競争優位性を活かし新しい市場に展開することで、リスクを分散させることができます。

競争地位の指標

競争地位を評価するための主要な指標には以下のものがあります。

  1. 市場シェア

市場シェアが高いほど、その市場での競争地位が強いとされます。

  • 売上高

高い売上高は、競争力の強さを示す一つの指標です。

  • ブランド認知度

高いブランド認知度は、強い競争地位を示します。

  • 顧客ベース

多くの忠実な顧客を持つ企業は、強い競争地位を持っています。

競争優位性の指標

競争優位性を評価するための主要な指標には以下のものがあります。

  1. 製品の品質

高品質な製品は、競争優位性の一つとなります。

  • コスト優位性

コストリーダーシップは競争優位性の一つです。

  • 技術革新

先進的な技術や独自の技術は強い競争優位性をもたらします。

  • 顧客サービス

優れた顧客サービスは、競争優位性を強化します。

  • 高いシェア値

市場シェアが高いことは、企業が顧客からの信頼と選好を得ていることを示し、強い競争優位性を意味します。

まとめ

市場縮小期においては、企業が持つ競争地位および競争優位性を的確に評価し、適切な戦略を講じることが重要です。これにより、限られたリソースを最も効果的に活用し、厳しい競争環境での生き残りと成長を実現することが可能となります。特に高いシェア値を維持することは、競争優位性を示す重要な指標となり、市場縮小期における成功の指標となります。

「新しいマトリクス分析法のご紹介」

1. 現代市場環境の変化

現代の市場環境は、以下のような大きな変化に直面しています。

  • 人口減少と経済の低迷: 市場が縮小し、従来の市場拡大を前提とした戦略が有効ではなくなっています。
  • ゼロサム市場: 限られた市場シェアを奪い合う競争が激化しています。

2. 既存のマトリクス分析法の限界

従来のマトリクス分析法には以下の限界があります。

  • GEマッキンゼーマトリックス: 市場の魅力度と競争力だけでは、縮小する市場での競争の激化を十分に捉えられません。
  • BCGマトリックス: 市場成長率と市場占有率に基づくため、成長しない市場での戦略には限界があります。
  • アンゾフの成長マトリックス: 市場と製品の軸だけでは、競争優位性の維持や競争地位の変化を十分に評価できません。

3. 新しいマトリクス分析法の優位性

市場規模競争地位および競争優位性(シェア理論に基づく)の2軸に基づいて、12のマトリクスに分類する新しい分析法は、現代の市場環境において以下のような利点を提供します。

  • 市場規模と競争地位: 縮小する市場においても、競争力を維持し、強化するための戦略を明確に立案できます。
  • 具体的な軸: 競争地位と競争優位性の軸は、競争が激化するゼロサム市場において、他社との相対的な位置を評価するのに有効です。

4. 販売データを活用した新しい方法論

販売データを活用して、さらに具体的な戦略立案と実行を支援します。

  • データ駆動型意思決定: 3Cに則って市場規模と競争地位のデータを収集・分析し、より精緻な戦略を策定します。
  • リアルタイム分析: リアルタイムで市場と競合の動向をモニタリングし、迅速に戦略を調整できます。

新しいマトリクス分析法のまとめ

この新しいマトリクス分析法は、ビジネスの成長と競争力の維持に向けた強力なツールです。現代の市場環境において非常に有用であり、従来の方法では得られない洞察と戦略的優位性を提供します。

「マーケティング(形式知)とセールス(暗黙知)のバランス:ピーター・ドラッカーの教え」

「現代経営学の父」として知られている、ピーター・ドラッガーは、「マーケティングの理想はセールスを不要にすること」と言いましたが、一方で、「真に重要なことは定量化できない。数値だけで判断しようとすると決断を誤る」とも言っています。

すなわち、観察によって顧客の行動変容を認識している営業担当者の存在が必要と言っているように見えます。

ピーター・ドラッカーの言葉は、一見矛盾するように見えますが、実際にはマーケティングとセールスの役割、そして定量的データと定性的観察のバランスについての深い理解を示しています。

「マーケティングの理想はセールスを不要にすること」というドラッカーの言葉は、マーケティングの目的が顧客ニーズを深く理解し、それに基づいて製品やサービスを提供することによって、顧客が自発的に購入を決定する状況を作り出すことだという意味です。これは、製品やサービスが顧客にとって非常に魅力的であり、必要とされるものであるため、セールスの力を借りなくても売れるという理想を描いています。

一方で、「真に重要なことは定量化できない。数値だけで判断しようとすると決断を誤る」という言葉は、ビジネスにおける意思決定がデータだけに頼るべきではないという警告です。定量的データは重要ですが、それだけでは全体像を把握することはできません。顧客の行動や心理、文化的背景など、数値化しにくい要素も大切です。

営業担当者は、顧客との直接的な接触を通じて、数値データでは捉えきれない顧客の声やニーズ、行動変容を観察する重要な役割を担っています。営業担当者のフィードバックは、マーケティング戦略をより精緻にし、顧客満足度を高めるために不可欠です。

このように、ドラッカーはマーケティングの力を最大限に引き出すことを目指す一方で、人間の感覚や直感、観察を軽視せず、それらをビジネスの意思決定に組み込むことの重要性を強調しています。したがって、定量データと定性的観察の両方をバランスよく活用し、顧客のニーズや行動を深く理解することが重要です。

現代のビジネス環境では、正確な予測が競争優位を築く重要な要因となります。しかし、どのような分析手法を用いたとしても、完璧な予測を行うことは不可能です。その精度は、使用するデータの質に大きく依存します。

完璧な予測は不可能
多くのビジネスリーダーやデータサイエンティストは、機械学習、AI、数理最適化、高度な統計手法など、さまざまな高度な分析手法を駆使して予測を行います。しかし、これらの手法も不確実性を完全に排除することはできません。どれほど精緻なモデルを構築しても、予測には必ず誤差が伴います。

入力データが不正確であれば、出力結果も不正確になります。どのモデルも現実の複雑さを完全に再現することはできません。市場や環境の変動を完全に予測することは困難です。

データの質が重要
予測精度を向上させるためには、データの質が極めて重要です。製薬業界では、医薬品販売データベースは極めて優れたデータソースと言えます。

医薬品販売データベースは、国内全ての医薬品の販売および納入データを網羅しています。そのため、部分的なデータに依存するリスクが低減され、統計的な分析や予測において偏りが少なくなります。医薬品卸から直接収集された一次情報源であり、標準化された形式でデータが整理されています。これにより、データの整合性が保たれます。

また、データが定期的に更新されるため、最新の市場動向を反映した分析が可能であり、販売数量、納入先、価格、地域別の販売データなど、詳細な情報が含まれるため、様々な角度からの分析が可能です。

このように、医薬品販売データベースは、製薬業界における戦略的意思決定を支えるための強力なツールです。信頼性の高いデータソースを活用することで、競合他社の動向を把握し、市場トレンドを予測し、リソースを最適に配分することが可能になります。

どの分析手法を用いても、完璧な予測は不可能であり、その精度はデータの質に依存します。医薬品販売データベースのような信頼性の高いデータソースを活用することで、予測の精度を最大限に高め、競争優位を築くことができます。

以前、私が構築し特許を取得した、分析アルゴリズムに対して、クライアント様から「信用できない」というフィードバックを受けることがありました。信用できないというのか個人の感想なのか、そもそも特許の取得自体が内包する問題なのか気になったので調べてみました。

特許は発明の新規性や独創性を認めるものですが、その信頼性や実用性については、別の視点から考える必要があります。

特許を取得するためには、発明が以下の要件を満たす必要があります:
新規性:発明がこれまでに公開されていないこと。
進歩性:専門家にとって自明ではない独創的な要素があること。
有用性:発明が実用的な効果を持つこと。

これらの要件をクリアすることで、発明は特許として認められます。しかし、これが直ちにその発明が信頼性を持つことを意味するわけではありません。

極端なケースとして、全くのデタラメなロジックであっても、特許を取得することは可能です。新規性と進歩性の要件は、他に存在しない独自性や、既存技術から明らかに異なる要素があれば満たされます。例えば、デタラメなアルゴリズムであっても、これまでに見られないものであれば、新規性と進歩性は認められる可能性はあるようです。

しかし、有用性の要件はより厳しく、発明が実際に機能し、特定の目的を達成するために役立つことを証明する必要があります。そのため、デタラメなアルゴリズムでは、有用性を証明することが難しくなります。

つまり、特許取得は、発明が新規で独創的であることを示していますが、これだけでその信頼性が完全に担保されるわけではありません。しかし、特許審査の過程で有用性の要件を満たすために、発明の実用的な効果を証明する必要があります。この点で、一定水準の信頼性が担保されていると言えます。

例えば、私のアルゴリズムも特許を取得する際に、有用性を証明するために実証データや具体的な適用例を提出しました。このプロセスを通じて、アルゴリズムが特定の問題を解決するために実際に機能することを示しています。

特許取得は発明の新規性や独創性を認めるものであり、有用性の観点から一定の信頼性が担保されています。しかし、特許があるからといって、その発明が無条件に信頼できるわけではありません。その真の信頼性を評価するためには、さらに深い理解と検証が必要のようです。

弁理士など、専門家のご意見をお聞きしたいですね。

小池氏の2020年の得票率は60%にも及び、新規市場参加者は、既に絶対的な市場支配者が存在する非常に厳しい市場に参入するということを強く認識する必要があります。多くの都民は小池氏を支持しており、安易な批判は支持者を批判することにつながるリスクがあります。

そのため、他の候補者は、小池氏の任期中に明らかに支持率が低下するような要因がない限り、あからさまな批判は避けつつ、積み残しの課題点とこれまで取り上げられていなかった新しい着眼点の課題解決を提案するニッチ戦略が有効です。

マトリクス分析のAaフレームにおいて、最もシェア値が高い開票所は足立区の65.38%、次いで江戸川区の65.19%です。反対に最も低い開票所は杉並区の52.66%、次いで目黒区の53.08%、そして60%を下回りかつ最も全体の投票数が大きいのは世田谷区の54.69%でした。

いずれの開票所においても小池氏は絶対的な強者であり、安定値に到達しているため、切り崩しは困難ですが、相対的には杉並区、目黒区、世田谷区での票獲得は実現可能性が高いと考えられます。

また、2020年と2024年の開票所別得票率の相関は89%と非常に高く、小池氏の確固たる基盤が築かれているものと思われます。相関から外れるのは奥多摩町、利島村、新島村、神津島村、八丈町、青ヶ島村、小笠原村であり、ここからも強者の特徴がみられます。

これらの開票所は、都市部と比較して投票者数が少なく、東京の中心部から離れており、アクセスが困難な場合が多いです。また島嶼部や山間部という地理的特性があり、住民の生活やニーズが都市部とは異なるため、選挙での関心事や争点が異なる場合があります。また地理的な制約や地方特有の問題(例えば、交通インフラ、医療サービス、観光業など)が選挙の主要な争点となりやすく、候補者がこれらの問題に対する具体的な解決策を提示する必要があるなど強者が避ける傾向にあります。

このように、新規参入で実績がない場合においても、過去のデータからターゲットと競争優位性を分析することで無駄な消耗戦を避け、成功確率を高めることができます。