偏差値は見えないライバルとの順位表

かつては市場が拡大し続けることが前提だった日本経済も、現在では人口減少と高齢化により、業種業界を問わず「ゼロサム市場」へと移行しています。市場全体のパイが増えない環境では、企業が売上を伸ばすためには競合他社からシェアを奪うしかなく、まさに勝者と敗者が明確に分かれる構造となっています。

このような環境において、「前年より売上が伸びた」「利益率が上がった」といった自社内の数値だけを見ていては、本質を見誤ってしまいます。重要なのは、競争市場の中で自社がどの位置にいるのか、つまり“相対的な競争優位性”を把握することです。

それは受験時代に悩まされた「偏差値」のようなものです。点数が上がった下がったと一喜一憂しても合格確率まではつかめません。点数(=売上)そのものだけでなく、全体の分布における自社の“偏差値”=戦略的ポジションを数値化することで、表面的な好成績に隠れたリスクや、逆に過小評価されていた強みが明らかになります。

弊社が開発する、「市場ライフサイクル分析」や「ベキ分布分析」、「マトリクス分析」はいずれも相対的な競争優位性を定量化および可視化するためのアルゴリズムです。単なる“売上ランキング”では見えなかった競争構造の力学を捉え、企業の戦略タイプを客観的に分類することが可能です。

とくに製薬業界のように、製品の差別化が難しく、プロモーションも制限される環境では、競合に対して「どこに、どれだけ資源を投下するか」が競争力を大きく左右します。限られたリソースの中で勝ち筋を描くためには、もはや経験や勘だけでは不十分であり、データに基づく戦略的な意思決定が不可欠です。

ゼロサム市場では、全員が勝者になることはできません。だからこそ、「相対的な優位性」を可視化することが、これからの企業経営にとっての“通信簿”になると私たちは考えています。

S.I Labは、単なるデータ分析にとどまらず、競争市場で生き残るための判断の軸と、戦略の出発点を提供しています。勝者と敗者が明確になる不確実な時代にこそ、定量的な競争優位性の見える化が強く生き残る企業を作るのです。