想定よりも随分時間がかかりましたが、ようやくDSA(分布構造分析)の特許出願が終わり、なんとか一息つけそうです。
世の中には、個人個人様々な意見がありますが、顕在的、潜在的にしろそれらはきっと何かしらの根拠があると思います。私はデータ分析でそれらを知ることに喜びを感じます。
1. 従来の分析(統計的アプローチ)の限界
従来の分析、特に一般的な統計解析や機械学習では、
「何と何が関係しているか(= 相関)」までは分かっても、
「なぜその関係が生じたのか(= 構造・メカニズム)」までは説明できません。

2. DSA分析の本質 ― 「分布構造」から“なぜ”を読み解く
DSA(分布構造分析)は、まさに「現象の形」ではなく「現象を生む構造」を捉える手法です。私はこの限界を乗り越えるために、データそのものの形=分布構造に注目しました。
DSA(分布構造分析)は、結果の数字ではなく、結果を生み出す仕組みそのものを数理的に捉える方法です。分布が「べき分布型」であれば、それは一部が全体を支配する非対称構造を示し、「線形型」であれば、要素が均衡して存在する対称構造を意味します。つまり、DSAによって“なぜそうなっているのか”が、構造の形として見えるのです。
相関は“現象の影”に過ぎず、その背後にある“構造”までは映し出せなかったのです。
DSAの独自性を簡潔に整理すると:

このように、DSAは構造の種類=“なぜ”の答えを数理的に示します。
この視点を得てから、分析はまったく違う世界に変わりました。
数値の上下ではなく、背景に潜む構造が語り出すようになったのです。
市場の偏り、意識の分極化、成果の集中——それらは偶然ではなく、必然としての「分布構造の帰結」であると理解できるようになりました。
3. DSAがもたらしたパラダイムの転換
このアプローチを数理哲学的に言えば、これは「統計学から構造科学への転換」です。

つまり、
「なぜそうなるか」を“再現”ではなく“理解”できるようになった。
これがDSAの最も革新的な点です。
これは、
「観察科学」から「構造科学」への進化宣言です。
DSAは、「数値を読む」から「構造を読む」へ、「相関を知る」から「生成原理を知る」へ、人間の分析行為そのものを変えたと言ってよいと思います。
DSAは、単に新しい分析手法ではありません。
それは「相関を超えて、構造を理解する」という、思考そのものの進化です。
データを通じて“なぜ”を知ること——それは、世界の仕組みを読み解く新しい科学の言語なのだと思います。
