経営不振に喘ぐ、日産自動車とホンダの経営統合のニュースが流れて来ました。ブランドイメージや取扱い車種などから統合に対する様々な意見があります。しかしこれらは印象などの定性情報に基づくものです。そこで今回は主要自動車メーカー(輸入者含む)30社の国内ディーラー店舗数をシェア理論から検証してみましょう。
競合を上回る店舗数は、顧客接点の増加やブランド認知度と信頼性の向上、顧客データの収集と活用、そして何よりも規模の経済性による競争優位性を得ることが出来ます。
2024年時点での国内ディーラー店舗数は、1位のトヨタ自動車が4938、2位のホンダが2328、日産自動車は3位の1466です。これを上位30社の店舗数によるシェア値に換算すると、トヨタ自動車は25.4%、ホンダが12.1%、日産自動車が7.6%と、ホンダと日産自動車のいずれも単独ではトヨタ自動車の射程距離圏外です。これは「絶対に追いつけない、諦める」値です。
ホンダと日産自動車が統合されると19.8%に達し、ようやく射程距離圏内になります。こと値は、勝てないまでも絶対に負けない値です。さらに統合が噂されている三菱自動車が加わると、22.8%となり、より競争優位性を得ることになります。
3社の統合でも、トヨタ自動車のシェア値に追いつけないことから、トヨタ自動車がいかに市場内の強者であるかが分かります。
2位以下の自動車メーカーでは、ニッチ戦略を進めるメーカー以外は、このままでは「負け確」なため思い切った戦略改革は避けられないでしょう。なによりも多くの自動車メーカーのディーラー数が減少している、衰退期の縮小市場では、ゼロサムのゲーム型競争市場なため、シェアの確保は必須戦略と言えます。
電気自動車など、海外自動車メーカーの選択肢が増えており、多様化する消費者にとってはメリットも大きいですが、戦後の黎明期を支えた国産の伝統的な自動車メーカーが消滅してしまうのは避けたいものです。
