医療機関の集患(集客)は厳しい規制や法律によって制約されています。これらの規制は患者の誤解を招く広告や不適切な宣伝を防ぎ、医療の質を維持するためにあります。

そのため、医療機関の集患に関する意識は高くないことがあります。良い医療を提供すれば評判が高まり、集患につながると信じる経営者は少なくありません。

人口減少により、都市部を除く多くの地域では患者を獲得することが難しくなっています。特に人口減少地域では、競合施設とのゼロサムゲームとなり、市場環境が一層厳しくなっています。

その打ち手として、私が顧問をしているクリニックではMEO/SEOの導入を提案しています。添付のデータは昨年4月に開業してからの月次の患者数推移と、Googleからの電話やルート検索などの反応数です。

外来患者数と反応数の相関関係が95%と高いため、MEO/SEOの効果が明らかです。当該クリニックは最寄駅から車で10分かかり、非住宅地ということも相まって、立地・商圏としては決して良いとは言えません。むしろネットで調べて来院するしか認知される方法がないとも言えるでしょう。

立地や商圏の不利を補うためにMEO/SEOを導入しましたが、同様の対策を行う競合クリニックが少なくとも同じ医療圏に2軒は存在する可能性があり、継続的な対策が必要です。

市場参入の条件は商圏の市場規模、成長性、競合への競争優位性です。戦略を検討する際にはこれらの要素を考慮する必要があります。

今回の事例は打ち手に対して費用対効果は十分に得られたと言っても良いでしょう。