国内の医薬品市場において、上位10社で約7割のシェアを占め、その多くが外資系製薬企業という構図の中、武田薬品工業は唯一の“純国産トップ企業”として孤軍奮闘しています。その存在感は、単なる企業活動を超え、産業界全体の象徴でもあります。

そんな武田薬品が、AIを活用した営業支援ツール「Next Best Action(NBA)」を導入し、営業現場での手応えを感じているという記事がありました。

記事リンク 週初めにAIが「推奨アクション」提案  武田の営業支援ツール、4月から本格運用

MRがAIから提案を受け、それをもとに訪問計画を立て実行することで、医師からは「求めていた情報が得られた」と好意的な反応が返ってきているそうです。

たしかに、これは顧客に寄り添うヘルスケア企業の“現場の進化”として素晴らしいことです。ですが同時に、今こそ冷静に問い直す必要もあるのではないでしょうか。

「その顧客は、本当に優先的に訪問すべき相手だったのか?」

AIが提案する「Next Best Action」は、裏を返せば「Next Easy Action」になっていないでしょうか?

つまり、「会いやすい」「反応が返ってきやすい」顧客に対して、彼らが欲しがる情報を提供する、接触しやすさベースの活動計画になっている可能性はないかということです

「喜ばれること」だけではなく、競争に勝ち、シェアを伸ばし、利益を上げることです。

ならば問われるべき営業活動の目的は、

その顧客は、本当に自社が勝つべきターゲットだったのか?

その実績は、競合他社を押しのけて得られた成果なのか?

その成果は、戦略目標全体への貢献度が高いのか?

もしこれらに自信を持って「Yes」と言えないなら、それは「効率的に喜ばれた」というだけの話であり、“営業活動としての成果”とは別問題です。

医師に喜ばれることは悪ではありません。しかし、企業の営業活動として正しいかどうかは、喜ばれることの先にある“勝てる市場での成果”で測るべきです。

ポテンシャルの高い顧客、すなわち市場性の高い顧客とは、一般に患者数が多く、多忙な医師であることが多いため、そもそも面会が困難です。加えて、そうした医師には競合各社のMRも集中するため、接触のハードルはさらに上がります。

接触機会を確保するには、オペのスケジュールを確認したり、外勤先での面会を調整したりと、一層の工夫が求められます。特に、面会規制が厳格化している昨今では、重要な顧客には「会えないのが当たり前」という前提で考えるべきでしょう。そのためにマルチチャンネル・オムニチャネルを整備しているはずです。

そのような状況下で成果を出す鍵は、「絶対的な面会回数」ではなく、「競合よりも多くコンタクトできるかどうか」にあります。限られた面会機会をいかにして競合よりも多く、自社が確保できるか、そこにこそ、勝敗を分ける差が生まれます。

必要とする顧客に必要なアクションによって、「顧客に喜んでもらうこと」は営業の一側面ですが、企業活動の本質は競争に勝ち、収益を確保し、社会に持続的な価値を届けることにあります。

喜ばれることが成果につながるとは限りません。真の成果とは、戦略に基づいて競争に勝った結果のはずです。

ゼロサム競争が進む中で、ただ“会いやすい顧客”や“反応の良い医師”ばかりにリソースが向かえば、戦略なき親切が自らのリスクを招くことになり得ます。

顧客のニーズに応えるだけでなく、競合他社との相対的優位性を見極めた上でのターゲティングとポジショニングがなければ、真の成果=勝利にはつながりません。

内資系製薬企業では絶対的な「強者のポジション」にある武田薬品では、このようなアプローチ方法は可能ですが、外資系製薬企業を含めると必ずしも絶対的な強者のポジションと言えるほどの競争優位性が得られているとは言い切れない中では脆弱性を含みます。

国内医薬品市場の縮小により、主要製薬企業の海外売上比率が3分の2を超えました。このままでは国内医薬品市場の空洞化を招き、医薬品アクセスへの影響が心配です。

だからこそ、武田薬品に期待したいのです。単に“AIを導入した営業”ではなく、競争に勝つ“戦略を持った営業”を築いて欲しいと強く期待します。

国内最大手として、そして日本を代表する製薬企業として、ただテクノロジーに流されるのではなく、グローバル競争の中で生き残る“戦略を持った、武田が“勝てる仕組み”を示すことは、業界全体にとって希望となるはずです。

正しい営業行動の判断軸

🔍 NBAの想定されるアルゴリズム構造

① 目的:営業アクションの最適提案

MRの限られた活動リソースを、最大の成果につながる医療機関・タイミング・情報提供内容に最適配分する。

② インプットデータの種類

おそらく以下のような社内外データが統合されていると考えられます。

③ 処理ロジック(推定される)

以下のような技術が組み合わされていると推測されます:

1. スコアリング+ルールベース

「医師Aに○○を伝えると処方が伸びた」という行動と成果の関係性を定量化。

スコアが高い医師・施設に推奨アクションを割り当てる。

2. 機械学習モデル

医師ごとのエンゲージメントレベル予測(たとえば回帰 or 分類モデル)。

コンテンツ選定やタイミングの予測には勾配ブースティング系(XGBoostなど)を使用している可能性。

3. ルールとAIのハイブリッド

初期はルールベース、その後にAIで改善されたパターンを学習して自動調整。

AIが出力した推奨に対して、「理由(Explainability)」を付け加えて人の納得感を補強。

④ アウトプット形式

毎週月曜に「10件程度」の推奨アクション。

各アクションには「なぜそれが効果的か?」という簡潔な理由も付与。

⑤ 特徴的な設計思想

透明性(Explainability)を重視しており、「なぜこのアクションなのか?」を明示。

ユーザー(MR)との協働開発により現場との乖離を最小化。

AI活用というよりも「人とAIの協働」に重きを置くUX設計。

日本の医薬品市場は今、静かに空洞化しています。薬価制度改革と市場の成熟により、国内はもはや“成長市場”ではなくなりました。主要製薬25社のうち、2023年度には海外売上比率が平均67.9%に達し、武田薬品は実に89.4%が海外売上。その半数を米国が占めています。

米中をはじめとする巨大市場への進出は、企業として当然の判断です。しかし、内資系企業までが海外に主戦場を移すということは、単なる経営判断を超えて国家的リスクを孕みます。

第一に、人的・資金的リソースが国外へ流出し、国内での新薬開発やニッチな疾患領域、災害時の供給体制といった「日本だからこそ必要な医薬品」の担い手が失われつつあります。
第二に、採算が合わないという理由で、小児用や希少疾患薬が相次いで販売中止に。必要でも手に入らない、そんな「医薬品アクセスの格差」が広がっています。
第三に、日本の医療制度と企業戦略がかみ合わなくなっている点も見逃せません。国民皆保険制度に支えられた薬価政策が内資企業の撤退を招くという“制度疲労”が進行中です。

こうした状況で頼みの綱となる外資系企業も、為替や本国都合で撤退・販売中止を決めるリスクを孕んでいます。すでにその兆候は現れており、日本市場は“魅力のない市場”と見なされつつあります。

本来、内資製薬は日本人の命と健康を守るラストラインでした。地方医療の維持、国産ワクチンの確保、災害時の医薬品安定供給など、外資では代替できない役割があるはずです。それが今、合理化と効率の名のもとに崩れようとしています。

企業の成長は必要です。しかし、それと引き換えに「国内を見捨てる」のであれば、問われるべきは国家の覚悟です。薬価だけを弄る時代は終わりました。
国産医薬品の戦略的確保、開発への投資インセンティブ、制度改革を伴った医薬品産業の再構築など、いまこそ政策転換が求められています。

ニュース記事リンク

DXS Stratify®は、製薬企業の売上拡大を目的とした販促支援ツールではありません。むしろ、製薬市場の構造が「拡大から縮小」「競争から淘汰」へと転じる中で、医薬品アクセスの持続可能性と公平性を守るための“構造最適化の手段”として設計されたツールです。


製薬企業の短期収益を最大化することが目的ではない

従来の営業支援ツールやCRM連携型のソリューションは、「訪問頻度を上げて成果を出す」「高シェア施設に集中する」といった、売上最大化ロジックに従って資源配分を偏らせる傾向があります。

結果として、

  • 情報提供が過度に重複する施設(営業過多)
  • 担当がつかない医療機関(営業空白)
    という構造的不均衡が発生し、アクセス格差が拡大してしまうケースも少なくありません。

❷ DXS Stratify®は「営業活動の最適化」ではなく「医薬品アクセスの最適化」

DXS Stratify®の設計思想は、企業の強みが発揮できる“最適戦場”を明確化することで、非効率な競争を避け、健全な棲み分けと供給安定性を実現することにあります。

これは、

  • 市場構造を可視化し、
  • 競合との相対優位を分析し、
  • リソースの配分を戦略的に再構築する
    というプロセスによって、個社の業績と社会的医薬品アクセスのバランスを両立させるものです。

❸ “勝てるところに集中する”ことは、供給継続性・地域医療体制の維持にもつながる

製薬企業の戦略的撤退が進みすぎれば、医療現場での製品選択肢が失われる事態も起こり得ます。
特に中堅・内資系企業が対応してきた領域(例:希少疾患、後発品、特定診療科)での退出は、地域医療や患者の選択権の消失=アクセス喪失に直結します。

DXS Stratify®は、企業が“無理な競争を避けて生き残る戦略”を描くためのインフラであり、これは結果的に、

  • 医薬品供給体制の多様性維持
  • 特定製品への依存リスクの回避
  • 医療現場での情報提供機会の確保
    といった社会的価値の維持に寄与するものです。

政策・行政・第三者機関との対話にもつながる「共通言語」

DXS Stratify®の分析結果は、

  • 地域ごとの営業格差
  • 疾患領域ごとの戦略的空白
  • 販売集中が引き起こす医療過密と医療空白

といったデータを可視化できるため、製薬企業内に留まらず、

  • 医療政策立案者
  • 規制当局
  • 医療経済研究機関
    との共通言語として機能します。

つまり、企業の意思決定と医療政策をつなぐ“インフラ型ソリューション”であると言えます。


結論:

DXS Stratify®は、「売上を増やすために営業先を選ぶ」ためのツールではありません。
「アクセスの偏在や供給の不安定化という社会課題に対して、戦略的視点から構造的にアプローチするための意思決定インフラ」です。

製薬企業の持続可能な競争力を支えながら、医薬品アクセスの公平性と質を守る。
そのバランスを実現するために、DXS Stratify®は開発されました。

DXS Stratify®のフォーミュラリ活用可能性と社会的意義について


1. はじめに

近年、我が国の医薬品市場はゼロサム型競争への転換や外資系企業による寡占化の進行、中堅・内資系企業の弱体化といった構造的変化を迎えており、それに伴い医薬品アクセスの持続性と公平性に対する懸念が高まっている。
こうした状況の中で注目されているのが、標準的薬剤の選定と供給を体系的に管理するフォーミュラリ(Formulary)の導入である。
本資料では、当社が提供する
市場構造および競争優位性の可視化ツール「DXS Stratify®」が、フォーミュラリの企画・運用においてどのように応用可能であり、いかに医薬品アクセスの最適化に貢献するかを示す。


2. DXS Stratify®の概要

DXS Stratify®は、製薬企業の営業戦略・マーケティング戦略において、市場規模、競合ポジション、競争優位性といった定量指標を基に医療機関単位での戦略分析を行う特許取得済みアルゴリズムである。
従来のCRMやBIツールが担う「活動の記録・効率化」に留まらず、「戦うべき市場と施設」を定量的に特定し、人的・情報的リソースの最適再配分を支援する


3. フォーミュラリへの応用可能性

フォーミュラリは、本来「適正使用と費用対効果の観点から、医療機関・地域・保険者が治療に用いる薬剤を選定・管理するための戦略的枠組み」であり、以下のプロセスを内包する:

  • 同効薬比較および優先順位付け
  • 医療資源と疾患構造の地域特性把握
  • 医療機関間での採用方針の整合化
  • 治療標準化と財政負担の抑制

DXS Stratify®は、これらの判断に対して以下のように貢献可能である:

領域応用内容期待される効果
採用薬剤選定支援市場規模や競合状況を定量化し、必要性・合理性の高い薬剤を可視化薬事委員会等での採用理由の裏付け強化
地域フォーミュラリ構築支援地域別の医療機関ニーズ・競合構造を分析「地域最適」の薬剤選定と供給計画を可能に
製薬企業の対応戦略設計採用・非採用病院の構造的差異を分析し、適切なリソース配分を設計営業活動の効率化とアクセスギャップ解消に貢献
政策連携地域偏在・営業空白の可視化による医薬品アクセス政策への応用社会的価値の明確化、レギュラトリー・パブリックアフェア対応にも寄与

4. 社会的意義と波及効果

DXS Stratify®の活用は、企業の業績向上にとどまらず、以下のような社会的課題解決にもつながる:

  • 情報提供が届かない医療機関・地域へのアクセス補完
  • 医療機関の薬剤選定の合理性・説明性の向上
  • 医療提供体制の多様性と持続性の確保
  • 医療費の適正化と治療の標準化支援

これにより、「薬剤の公平な選定」と「情報アクセスの地域格差是正」を同時に実現する構造的ソリューションとして、フォーミュラリ推進における強力な意思決定支援ツールとなり得る。


5. 結論

DXS Stratify®は、単なる営業支援・売上拡大ツールではなく、医薬品の公平かつ持続的なアクセスを支えるための“戦略的インフラ”である
フォーミュラリ運用における分析基盤として応用することで、病院・地域・企業の意思決定を科学的に支援し、結果として医療全体の構造最適化に資するものであると考える。

🎯なぜ私はDXS Stratify®を使うのか

【MRの立場】

私たちMRの役割は、自社製品を選んでいただくために医療機関を訪問し、情報提供活動を行うことです。しかし現実には、訪問制限や競合の攻勢、限られた時間の中で、すべてをカバーすることは不可能です。
「どこに力を入れ、どこは見送るべきか?」その判断にいつも悩まされてきました。

そんな中、DXS Stratify®を活用することで大きな転機が訪れました。
このツールは、「売れている/売れていない」ではなく、「競合に勝っている/負けている」という視点でエリアを可視化してくれます。

たとえば売上が高い施設でも、競合に押されているなら“守るべき”対象。
逆に売上が低くても競合が未参入なら“伸ばせる”可能性があります。

今、自分の担当エリアで何が起きているのかが一目で把握でき、訪問の優先順位にも明確な根拠を持てるようになりました。
感覚に頼らず、数字に基づいて行動できる。「語れるMR」になれた実感があります。


【営業マネージャーの立場】

営業マネージャーとして、私は日々メンバーの活動を見守り、戦略を検討しています。
しかし、売上が伸び悩む中で「もっと訪問を増やせ」としか言えない自分に、どこかモヤモヤを感じていました。

その迷いに、DXS Stratify®は明確な答えをくれました。
市場規模・シェア・競合とのギャップが可視化され、エリアごとの戦略判断が可能になります。

競争が激化している場所、逆にブルーオーシャンが広がっている場所。
それらを客観的に把握できるため、指導の内容にも納得性が生まれ、現場の理解も深まりました。

このツールは、単なるデータ分析ではなく、“勝てる組織”を構築するための戦略ナビゲーションです。


【マーケティング部門の立場】

私たちマーケティング部門は、「どう売るか」を考え、営業活動を支援する立場です。
膨大なデータに囲まれながらも、そこから“価値ある示唆”を得るのは決して容易ではありません。

売上が伸びている施設を重点化しても、それが競合に勝っているからなのか、市場成長に引っ張られているだけなのか──従来のデータでは判断できませんでした。

その課題を解決してくれたのがDXS Stratify®です。
「市場規模 × 自社シェア × 競合とのギャップ」に基づいた可視化により、
✔ 競合に苦戦している施設
✔ 維持リスクのある強化エリア
✔ 小規模でも勝機のあるセグメント
といった戦略の軸が浮かび上がります。

営業との対話も「同じ地図、同じ言葉」でできるようになり、戦略が現場で“実行されるもの”へと変わりました。
DXS Stratify®は、私たちの戦略を現場で“武器”に変えるプラットフォームです。


【研修部門/人材開発の立場】

「戦略的に動ける人材を育てたい」──それは多くの企業が掲げるテーマですが、
実際の現場では「戦略ってどうやればいいの?」という戸惑いの声も少なくありません。

従来の研修は、
・抽象的な理論で終わる
・汎用的なフレームワークにとどまる
・実データと結びつかず実務に直結しない
──そんな課題を抱えていました。

DXS Stratify®の導入によって、それらが一気に解消されました。
研修参加者が“自分の担当施設”をもとに戦略思考を学び、
✔ 思考力(市場の構造を読み解く)
✔ 判断力(優先順位をつける)
✔ 行動力(何をすべきかを定める)
これらを一体で育てられる“体験型”の研修が実現しました。

戦略を“考えられる人材”を育てる。それが、DXS Stratify®が担う人材開発の役割です。


【デジタル推進/DX担当の立場】

私たちはこれまで、BIツールやSFA、AIモデルなどさまざまなツールを導入してきました。
しかし、多くの現場からは「結局、どうすればいいの?」という声が止みません。

それは、ツールが“情報”は出しても、“意思決定”まで支援できていないからです。

DXS Stratify®は、その点で決定的に違います。
市場サイズ・シェア・競合状況に基づいて、「戦うべき場所・守るべき場所」を明確に見せてくれます。
誰が見ても同じ答えにたどり着ける戦略ロジックは、現場と本社を同じ方向に向かわせる強力なインフラです。

DXの本質とは、ツールを入れることではなく、“行動が変わること”。
DXS Stratify®は、まさにそのための仕組みです。


【まとめ】

DXS Stratify®は、単なる分析ツールではありません。
「どこで戦うか」「なぜ動くか」を明らかにし、あらゆる立場に“納得できる判断”をもたらします。

  • MRには、自信を持てる行動指針を
  • 営業マネージャーには、マネジメント判断の軸を
  • マーケティングには、連携と納得の戦略地図を
  • 教育部門には、再現性ある思考の育成手法を
  • DX部門には、成果を導く仕組みとしてのDXの形を

それぞれに「使う理由」がある──それがDXS Stratify®の本質です。

【S.ILab株式会社 設立のご案内】

Strategic Science for Competitive Edge
戦略に、科学という再現性を


法人化のご報告

このたび、S.ILab(戦略向上研究所)は「S.ILab株式会社」として法人化いたしました。
これまで培ってきた戦略コンサルティングと独自の分析アプリケーション開発の知見をもとに、さらに多くの企業様の意思決定をご支援できるよう、体制を強化いたします。


私たちの想い

従来のビジネスフレームワークは、扱う人の経験や直感に依存するため、同じ課題に対してもアウトプットが人によって異なるという課題がありました。
一方でAIは、驚異的な分析力を持つ一方で、その判断根拠が見えにくい“ブラックボックス”であることが多く、意思決定の納得感や説明責任という面で課題を残します。

私たちが開発した DXS Stratify® は、この両者の課題を超えることを目指して誕生しました。
誰が使っても、何度使っても、同じ結論にたどり着ける。
戦略を“科学”し、“再現性”をもって導き出す。
それが私たちの信念です。


ミッションメッセージ

Strategic Science for Competitive Edge
私たちは、競争に勝つための“科学的な戦略”を提供します。


会社概要

社名:S.ILab株式会社(Strategic Improvement Laboratory)
所在地:〒260-0013千葉県千葉市中央区中央2丁目5-1千葉中央ツインビル2号館7階
代表者:岡崎 倫夫
事業内容:セミナー・コンサルティング/競争力分析アプリ「DXS Stratify®」の開発・提供
設立日:2025年3月31日


お問い合わせ

DXS Stratify®の導入、コンサルティングのご相談等は下記までご連絡ください。
Email:senryakuken@si-lab.work
Web:https://si-lab.work/

本日、大型医療機器部門のエリアマネージャーを対象に、ある医療機器メーカーの社内研修実施の機会をいただきました。製薬企業以外のヘルスケア業界では今回が初めての取り組みでしたが、医療機器のビジネスモデルは医薬品ビジネスと根本的に共通していることから十分に応用が可能です。これにより、従来医薬品業界で用いられてきた戦略フレームワークを、医療機器業界にも応用できることが分かりました。

特に今回の研修で大きな収穫となったのは、「新医療」という業界紙が、医薬品業界の医薬品販売データベースと同様の市場データを提供しているという点です。医薬品販売データベースは、入手に年間数千万円から数億円のコストがかかるのに対し、このデータははるかに低コストで入手が可能です。これにより、DXS Stratify® の実践的な応用が可能であることが改めて確認されました。

医療機器は製品ライフサイクルが非常に長く、戦略も長期的な視点が必要になりますが、長期的になることで曖昧さや不確実性も高まります。

さらに、このデータは単一のメーカーの視点にとどまらず、医療機器業界全体を横断的に分析できる点でも非常に有用です。市場ポジショニングの評価、競争環境の分析、最適なリソース配分の決定など、戦略策定における大きな強みとなります。また医薬品のように毎月のアップデートも必要としません。

このような視点から、他の医療機器メーカーにもぜひ、同様の研修実施を検討していただきたいと考えています。データを活用した戦略的意思決定は、医薬品業界だけの強みではなく、むしろより複雑なビジネスモデルである医療機器業界においても競争力の源泉となり得ます。定量分析を活用し、マーケットセグメントの最適化や販売戦略の精度を高めることで、競争環境の中で優位に立つことができるはずです。

このアプローチに興味をお持ちの方は、ぜひご相談ください。医療機器業界におけるデータ駆動型の戦略策定を共に考えていきましょう!

最近では大物タレントのスキャンダルが世間を賑わせていますが、実態が見えてこないのが実情です。臆測で話すのは良くないと言われますが、真実は当事者以外に知り得ないので全ては臆測といえます。臆測がなければ疑惑も生じず真実を探ることも起きえません。

臆測(憶測)は人間の本能の一部です。エンタメ業界に限らず、ビジネスや政治の世界でも、情報が不完全なとき、人は自然とその空白を埋めようとします。最近の中居正広氏のスキャンダルもその典型的な例です。正式な発表がほとんどないにもかかわらず、ネット上には無数の憶測が飛び交い、事実が確定する前に世間の認識が形成されていきました。

この現象はエンタメ業界だけでなく、ビジネスの世界でも重要な影響を持ちます。企業が不確実な状況に直面するとき、憶測は株価、従業員の士気、戦略的意思決定にまで影響を与えます。しかし、臆測は常に悪いものなのでしょうか? それとも、戦略的に活用することは可能なのでしょうか?

1. ビジネスにおける臆測の力

憶測は、情報不足から生じます。企業が危機的状況で沈黙を守ると、投資家・従業員・顧客は自ら情報を補おうとし、それが自己実現的予言につながることがあります。例えば、「ある企業が経営難に陥っている」という噂が広がると、投資家がパニック売りを起こし、本当に株価が下がるというケースがあります。

一方で、うまく管理された憶測は、企業にとってプラスに働くこともあります。Appleは、新製品の発表前にあえて詳細を明かさず、市場に憶測を生じさせることで期待感を煽り、需要を高める戦略を取っています。

2. コントロールされていない臆測のリスク

しかし、無制御な臆測は大きなリスクを伴います。特に誤情報の拡散は、デジタル時代において爆発的な影響を及ぼします。中居氏の件でも、裏付けのない報道が瞬く間に広がり、事実確認が追いつかないまま世論が形成されてしまいました。

ビジネスの世界でも同様です。CEOの辞任、M&Aの噂、財務状況の悪化など、事実無根の憶測が広がることで、企業の評判が損なわれることがあります。

有名な例としては、2018年のFacebookデータスキャンダルが挙げられます。データ不正利用の報道が出ると、規制強化の懸念から株価が急落しました。後にFacebookは危機管理策を打ち出しましたが、最初の憶測が市場に与えた影響は甚大でした。

3. 企業が憶測を管理し、活用する方法

エンタメ業界やビジネスにおけるスキャンダルから学べることは、憶測を無視するのではなく、戦略的に管理することが重要だという点です。具体的には以下のような方法があります。

  • 自らストーリーをコントロールする:沈黙は憶測を生む。たとえ詳細を話せなくても、不確実性を認めつつ積極的にコミュニケーションを取ることが重要。
  • 透明性を活かす:タイムリーな事実提供を行うことで、憶測の暴走を防ぐ。
  • 市場テストとして活用する:噂に対する市場の反応を観察し、顧客の意識や需要を分析する。

まとめ:憶測を戦略に変える

エンタメ業界でもビジネスの世界でも、憶測は常に存在します。重要なのは、それをどうコントロールし、活用するかです。中居正広氏の件では、メディアの憶測が事実確認を待たずに世間の認識を形成しました。同じことが企業にも言えます。企業が憶測を適切に管理できなければ、自らのストーリーをコントロールする力を失うことになります。

情報が瞬時に拡散する現代において、憶測の管理はもはや選択肢ではなく、必要不可欠なスキルです。企業が噂や危機、期待値をどうコントロールするかが、長期的な成功を左右すると言えるでしょう。

経営不振に喘ぐ、日産自動車とホンダの経営統合のニュースが流れて来ました。ブランドイメージや取扱い車種などから統合に対する様々な意見があります。しかしこれらは印象などの定性情報に基づくものです。そこで今回は主要自動車メーカー(輸入者含む)30社の国内ディーラー店舗数をシェア理論から検証してみましょう。

競合を上回る店舗数は、顧客接点の増加やブランド認知度と信頼性の向上、顧客データの収集と活用、そして何よりも規模の経済性による競争優位性を得ることが出来ます。

2024年時点での国内ディーラー店舗数は、1位のトヨタ自動車が4938、2位のホンダが2328、日産自動車は3位の1466です。これを上位30社の店舗数によるシェア値に換算すると、トヨタ自動車は25.4%、ホンダが12.1%、日産自動車が7.6%と、ホンダと日産自動車のいずれも単独ではトヨタ自動車の射程距離圏外です。これは「絶対に追いつけない、諦める」値です。

ホンダと日産自動車が統合されると19.8%に達し、ようやく射程距離圏内になります。こと値は、勝てないまでも絶対に負けない値です。さらに統合が噂されている三菱自動車が加わると、22.8%となり、より競争優位性を得ることになります。

3社の統合でも、トヨタ自動車のシェア値に追いつけないことから、トヨタ自動車がいかに市場内の強者であるかが分かります。

2位以下の自動車メーカーでは、ニッチ戦略を進めるメーカー以外は、このままでは「負け確」なため思い切った戦略改革は避けられないでしょう。なによりも多くの自動車メーカーのディーラー数が減少している、衰退期の縮小市場では、ゼロサムのゲーム型競争市場なため、シェアの確保は必須戦略と言えます。

電気自動車など、海外自動車メーカーの選択肢が増えており、多様化する消費者にとってはメリットも大きいですが、戦後の黎明期を支えた国産の伝統的な自動車メーカーが消滅してしまうのは避けたいものです。

コンフォートゾーンとは、人が安心感や安全性を感じる範囲内で行動する領域を指します。この範囲内では、ストレスや不安を感じることなく、日常的なルーチンや既知のスキルを駆使して生活することができます。しかし、この快適な領域に長く留まることが、必ずしも成長や成功につながるわけではなく、むしろリスクを増大させる場合があります。特に、現代の急速に変化する経済状況や労働環境において、コンフォートゾーンに固執することは、個人の競争力やキャリアの未来を危うくする可能性があります。

ここ数十年で、日本の終身雇用制度や年功序列といった安定の象徴は揺らぎ始めています。経済の停滞や企業の業績悪化に伴い、リストラや早期退職が進行し、企業は従業員に対してリスキリング(再スキル習得)や副業の奨励を行っています。このような環境変化の中で、サラリーマンという形での収入依存は、もはや安全ではない時代となりつつあります。新しいスキルや収入源を求める必要性が高まり、多くの人が自分のキャリアを見直す時期に来ているのです。

サラリーマンがコンフォートゾーンから抜け出せない理由

しかし、現状を理解していながらも、多くのサラリーマンはコンフォートゾーンを抜け出すことに消極的です。理由として、まず安定への依存があります。毎月の固定給や福利厚生に対する安心感は、変化に対するリスクを強化します。たとえ企業の業績が悪化し、不安定さが増していると認識していても、現状の安定性を手放すことは心理的に大きなハードルとなります。

次に、変化に対する恐れです。起業や副業にはリスクが伴い、不確実な未来に挑むことを恐れる人は少なくありません。新しいスキルや知識を習得する手間や、失敗のリスクを恐れ、現在の仕事や生活にしがみつく傾向が強まります。また、特に日本では、社会的なプレッシャーや伝統的な価値観が「安定した会社で長く働くことが正しい」という意識を強くしており、このこともコンフォートゾーンに留まる理由となっています。

さらに、時間とエネルギーの制約も大きな要因です。長時間労働や職場でのストレスから、副業やリスキリングに取り組むための余裕がないと感じる人も多くいます。その結果、現状維持を選び、結果としてコンフォートゾーンから抜け出せないままでいるのです。

コンフォートゾーンに留まるリスク

現代の経済環境では、コンフォートゾーンに留まるリスクがかつてよりも高まっています。まず、企業の業績が急速に悪化により、リストラが行われることが多く、従業員としての安定性が崩れつつあるためです。固定された給料や雇用に依存していること自体が、もはや安全とは言えない状況になっています。

さらに、技術の進化によるスキルの陳腐化も問題です。AIやデジタル技術の進化により、従来のスキルでは通用しなくなるリスクが高まり、これに対応しないままでいると市場価値が低下します。また、マーケットが飽和状態にある中、多くの業界が縮小しつつあり、ゼロサムゲーム型の競争が進んでいます。変化に適応しないままでいると、他者に市場シェアを奪われ、キャリアの選択肢が狭まるリスクがさらに高まります。

起業や副業のメリット

一方で、コンフォートゾーンを抜け出して起業や副業に挑戦することには、さまざまなメリットがあります。まず、自由と自己決定権が得られます。従業員として働く場合、仕事の内容やキャリアの進路は企業に依存しますが、起業家としては自分自身のビジョンをビジネスに反映させることができます。自分で決定し、ビジネスをコントロールできる自由度は、自己実現や満足感を高めます。

次に、成長機会の拡大です。起業や副業を通じて、財務管理やマーケティング、人材管理など、さまざまなスキルを学ぶことができます。この成長は、従業員としての枠を超えた新たなキャリア形成にもつながります。特に、失敗を経験することで得られる教訓は、ビジネスだけでなく個人の成長にも寄与します。

さらに、起業が成功すれば、財務的な成功を得る可能性もあります。自分でビジネスを築き、収入をコントロールすることで、従業員としての固定収入に縛られない自由な働き方が可能になります。また、ビジネスが成長すれば、その後の拡大や売却によってさらに大きなリターンを得ることもできます。

まとめ

現代において、コンフォートゾーンに留まることは、かつてほど安全な選択ではなくなっています。経済環境の変化、技術の進化、雇用の不安定性などが進む中で、変化に適応することが生き残りの鍵です。サラリーマンであり続けることのリスクが高まっている一方で、起業や副業を通じて自分のキャリアやビジネスを自らコントロールすることで、成長や成功の機会をつかむことができます。

コンフォートゾーンを抜け出すことは、決して簡単ではありません。多くの著書ではパートナーやメンター、サポーターの力を借りることを推奨しています。