最近ではネットから多くの情報を取得できるため、分析も随分と楽になってきました。

自社に影響を及ぼす外部環境の情報の入手は不可欠ですが、自社内の情報はあっても市場・顧客状況の入手は難しいものです。

その中にあって、ヘルスケア業界は特異な環境と言えます。

特に医療系の情報は厚労省や各自治体から発信されており、定量的なデータの入手が可能です。

定量データが入手できる利点は、統計的な分析が容易なところにあります。

ネット時代と言ってもここまでの情報が得られる業界も珍しいのではないでしょうか。

逆に言えば「情報を制する者が勝つ」時代とも言えます。

担当エリアを「保健医療計画」「地域医療構想」などのキーワードで検索してみてください。

当ブログでは幾度となく取り上げてきたSTPですが、改めて取り上げたいと思います。

医薬品マーケティングでは様々な法規制の影響を受けており、消費財マーケティングのような自由度はありません。

適応症や処方箋の必要性、薬価や学会・ガイドラインなど、多くの制限を受けています。

そのため、全体市場でのマーケティングプランニングを行うケースが散見されますが、戦略においては正しいとは言えません。

やはり出来る限り市場細分化を行い、「必ず勝つ、絶対に負けない」戦略を立案する必要があります。

戦略プラン二ングプロセスにおいて、STPは実行計画の直前で行われますが、戦略プラン二ングプロセスは一方通行ではなく、上下左右に柔軟に検討することが医薬品マーケティングでは重要になります。

標準的なマーケティングプラン二ングのプロセスは、外部環境の分析から始まり、内部環境分析、自社の強み・弱み分析、そして戦略策定まで非常に多くの工程を要します。

マーケティングの専任担当者でなければ日々の業務の中で十分な時間を掛けることは難しいでしょう。

さらに医薬品マーケティングでは、既に製品の開発が完了し発売が決まっているプロダクトアウトマーケティングが中心でしょう。

その場合には、探索型アプローチではなく、仮説検証型アプローチでマーケティングプランニングを行うこともあります。

顧客ニーズと価値、それによって得られる利益を仮説として立て、実際にその通りか検証します。

探索型アプローチは幅広く先入観を持たずにアプローチするためイノベーティブな戦略を生み出すことが出来ますが、工程に時間がかかり過ぎることと、理想的過ぎて実現が難しい絵に描いた餅になることもあります。

仮説検証型アプローチは想像の範囲を超えるとは難しく作成者のバイアスを受けやすい面がありますが、より現実的で実践的です。

ケースによって2つのアプローチ方法を選択すると良いでしょう。

では、SWOT分析は戦略プラン二ングにおいて、どのような位置付けにあるのでしょうか?

SWOT分析を行うためには「外部環境分析」と「内部環境分析」を行う必要があります。

さらに「外部環境分析」を行うためにはPEST分析を行う必要があります。

PEST分析ではブレーンストーミングなどで客観的事実を質より量を重視して書き出します。

「内部環境分析」を行うためにはVC分析やVRIO分析、ポジショニングマップなどを行います。

「外部環境分析」で市場/顧客と競合状況、「内部環境分析」で自社の状況分析が抽出されれば3C分析ができるようになります。

そしてSWOT分析が終わることで、ようやく4つの戦略プランを導き出すためのクロスSWOT分析が出来るのです。

「弱み」は必ずしも悪いことではありません。

外的要因によっては「強み」に転換することが出来る可能性があります。

また改善が可能であれば「弱み」要因を減らすことが出来ます。

新規事業など新市場への参入を決める際に、市場規模を基に判断する事例をよく見かけます。

市場規模が大きければ、それだけ利益を見込めるからです。

しかしそこに落し穴があります。

自社にとっては新たな市場であっても、既存の競合が存在する場合です。

現在のように市場が縮小する衰退期ではブルーオーシャンを見つけることは容易ではなく、多くの場合は血で血を洗うレッドオーシャンです。

競合が存在する場合は勝つことができるのか?どうすれば勝てるのか?確信を得られるまでは安易に参入するべきではありません。

そのような背景から、3C分析はとても大切になります。

市場分析、競合分析、自社の分析から戦略立案を行い、やるべきことが明確になったなら、それらに優先順位とリソース配分を決めなければなりません。

特に広いエリアの責任を負う方は、全ての要求通りに経営資源を提供することには限りがあります。

誰もが納得出来るだけの理論は持っておく必要があります。

そのためには定性的な情報にだけ頼った意思決定ではなく、定量的な情報に基づいた理論とプロセスが必要になります。