医薬品ビジネスのための「戦略思考」が身につくblog

S.I Lab (戦略向上研究会)では、戦略によって製薬会社で働くMRの仕事を、より楽しくすることを目的にしています。

「必ず勝つ、絶対に負けない戦略のための戦力量の定量化および可視化」

兵法における戦略とは、「必ず勝つ、絶対に負けない」方法を意味します。同様に、ビジネスにおけるSTP分析においても、自社の強みによって競争優位性を得ることが出来るセグメント、ターゲット、ポジションを決める方法です。

演習問題から、自社および競合他社AとBの製品売上推移からどのような戦略をとるべきか考えてみましょう。

自社製品のシェア値が17%、競合製品Aのシェア値が30%、競合製品Bのシェア値が15%です。自社製品は当初こそ、最も高いシェア値を獲得していましたが、競合製品Aに抜かれダウントレンドとなっています。

再度、市場内シェア値1位に返り咲くためには、競合製品Aあるいは競合製品Bのどちらを対象とした戦略が必要になるでしょうか?

現状では競合製品Aを攻略するためには、現在の自社製品にかけているリソース量の5.4倍を必要とする射程距離圏外です。一方で、競合製品Bは辛うじてシェア値で上回るものの拮抗しており、勝つか負けるかの瀬戸際であり、必ず競り勝つ必要があります。

競合製品Bには、現在の自社製品にかけているリソース量の1.3倍で攻略が可能です。競合製品Bのシェアを5%奪えばその差は10%となり、攻略に必要なリソース量は0.4倍と大幅に減少します。さらに競合製品Bからシェアを奪うことに成功すれば、ようやく競合製品Aが射程距離圏内となります。

自社製品のシェア値を27%まで向上させても、依然として競合製品Aが優位であり、その攻略には、2倍のリソース量を必要としますが、現実的に攻略の可能性が見えてきました。

実際に戦略を立てる場合には、リソース量の総量と相談しながら配分可能かどうかを判断する必要があります。

DXS Stratify®の戦力量分析を用いれば必要なリソース量を定量および可視化することが出来ます。

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