最近のビジネスシーンにおいてUXやCXという言葉を目や耳にすることが多くなりました。

以前から「顧客を中心としたマーケティング」の重要性は提唱されていましたが、最近では特にその傾向が強まったと感じます。

その背景にはインターネットの普及によりコミュニケーションがデジタル化したことにより、企業と顧客の関係に変化が生じたことにあります。

インターネットを用いれば、顧客は企業の情報発信を待たずに欲しい情報を獲得できるようになりました。

企業が自社製品の情報を提供しなくても、顧客自身で製品を選び、インターネットで購買まで行うことが出来ます。

顧客は自社製品のみならず競合製品の情報を得ることで、双方を比較したうえで購入を決めることも可能です。

さらにSNSや口コミなどの要素が加わることで、選択権が顧客側にシフトし、企業は情報発信における優位性を失うことになります。

そのため、企業はデジタルによる双方向性や検索優位性、即時性を取り返す必要が生じました。

ECサイト(amazonなど)では定価よりも安価で購入出来ることもあり、情報および価格における企業側の優位性が薄れ、消費者主権の完全競争市場へとシフトしています。

MRが顧客を訪問し自社製品の情報提供により購買につなげようと思っても、顧客は既に必要な情報を得ているためセールスが機能しなくなるのです。

各社が乗り出すカスタマーセントリックのマーケティングは競合との差別化による競争優位性を生むことが出来ない限り、より一層、市場競争を激化させることになるかもしれません。