JAK阻害薬やPD-1モノクローナル抗体薬では、競合製品は存在するがインディケーションの重なりとズレがあるため、適応症市場の中での正確なシェア値が分からず受発注データが上手く活用できないとお聞きします。

そのためマトリクス分析を行っても同じ理由から有用性がないとのご意見をいただくことがほとんどです。

実際にインディケーションのある適応症ごとの競合製品との競争環境はマトリクス分析でも把握することができません。

しかし安くない受発注データを購入しているのですから正確には分からなくても概要だけでも掴むことで競合製品に優越性を持つことができると思います。

安定しているのか脆弱なのか、優先すべき顧客はどこなのか、リソースをどのように配分すればよいのか、マトリクス分析によって方向性は見えてきます。

製品Aは早急に安定目標に達するためにa行およびb行の顧客を育成しなければならないでしょう。

市場規模や売上金額の大きな順に優先順位をつけリソース配分決めるターゲティングを行っているのではないでしょうか?

パレートの法則はイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則です。

さまざまな国や時期の国民所得配分について調査し発見した経験則による理論です。

他にも働きアリの法則や、ユダヤの法則もパレートの法則と似たような分布の偏りを表すものがあります。

あらゆるものごとは、パレートの法則と同様の分布の偏りがみられるといわれています。

市場規模の大小と売上金額の大小に相関関係があるか散布図を使って検証してみましたが相関関係は認められませんでした。

市場規模が大きな市場ほど参入する競合企業が多くなり競争環境は厳しくなるからと推測されます。

すなわち競争環境を加味したターゲティングおよびリソース配分を行わなければ競合に負けてしまうということです。

戦略あるいは戦術の策定が上手くいかないことがあるかと思います。

それは戦略あるいは戦術を単独で考えているからです。

企業の理念やミッション、提供する価値は密接に関連しています。

これらの目的と手段としてのつながりを考えながら策定することで道筋が見えて来るはずです。

そのための手法としてBSCがあります。

道筋を整理するのに非常に役に立ちます。

正しく機能する戦略/戦術を策定するためには手抜きはダメです。

分析が意味するものは多くの場合で比較です。

多い少ない、増えた減った、これらは比較しなければその程度が分かりません。

透析の供給率を印西市と花見川区で比較してみました。

推定透析患者数に対する供給率は、印西市が106%、花見川区は156%です。

印西市では人口の増加、高齢化、介護施設の参入などにより、新患の獲得はある程度見込みがあります。

しかし花見川区は既に花見川区医療圏を超えた患者の獲得競争が始まっています。

競合から患者を奪うか商圏を拡大する必要があると言えます。

ニュータウンへの透析施設としての進出を検討してみます。

印西市には3つの透析施設があり、合計透析患者数は236名です。

透析患者は人口あたり0.2%の割合とされていおり、推定透析患者数は222名となります。

実透析患者数と推定透析患者数が近似しており需要と供給バランスはイコールです。

患者獲得のためには新規透析導入患者、高齢化および人口増加、介護施設の新規開設などの市場拡大が必要です。

ボリュームゾーンの生産年齢層の加齢に伴って今後20年間は生活習慣病は増加傾向にあります。

自社製品の対象患者・対象疾患の推定人口動態を確認してみましょう。

印西市の介護需要は今後急速に高まります。

現状では生産年齢層が多く、地域医療連携は確立していないようですが、介護需要に先駆けて市場参入することはチャンスにつながるかもしれません。

生産年齢が中心世代のためか在宅復帰の傾向が強いようです。

医療、介護、福祉の急性期から慢性期の機能分担の流れは現状ではニーズが低そうです。

しかし少子高齢化は確実に進むため今後10年の間には大きな変化があるでしょう。

北総線沿線は医療機関の絶対数が不足しているようです。

現地をみたところ平面地図でみるより商圏は複雑な構造をしており、それも原因の一つかもしれません。

北総線が商圏を南北に分断しており、横断する道を大きく迂回しなければ反対側へ回ることが出来ず、動線が非常に悪い状況です。

印旛区域は、複数の基幹病院があり、隣接区域間からの流入が多い区域である一方で、流出も多い区域です。

また、平成 47 年(2035 年)に向けて医療需要は増加傾向にある区域です。

急性期から回復期、在宅医療に至るまで、病床の機能分化及び連携における一連のサービスを総合的に確保する必要があります。