「BtoB」「BtoC」は、ビジネスシーンで頻繁に登場するマーケティングモデルです。

医薬品ビジネスは、製薬企業から購入者である医師、そして使用者である患者の3者間におけるビジネスモデルです。

よってマーケティングモデルとしては「BtoBtoC」と複雑な構造モデルとなります。

これまでは製薬企業がダイレクトにエンドユーザーである患者とのタッチポイントを持つことは殆どありませんでしたが、昨今では、デジタルコミュニケーションの発展により治療支援アプリなどを介して徐々にその機会は増えています。

ではこの患者を対象としたカスタマーセントリックやカスタマーエクスペリエンスなどの取り組みは自社製品の売上にどの程度寄与するでしょうか?

「BtoB」「BtoC」の大きな違いは、顧客の顔が見えるか、顔が見えないかです。

製薬企業にとっても、医師/医療機関にとっても患者の顔は受診して初めて特定されますが、それ以前は潜在顧客として分散市場における不特定多数の存在です。

また製薬企業が治療の必要性や継続の重要性を啓蒙しサポートを行ったとしても、患者がどこの医療機関を受診するか、さらに受診した医療機関が他社製品ではなく自社製品を処方するかは不確実です。

確実性を高めるためには、全体市場における強者/No,1であるか、細分化されたニッチ市場における強者/No,1である必要があります。

それ以外の市場内における競争地位の製品は却って競合製品の処方を促進する、いわば「敵に塩を送る」行為となるかもしれません。