「情緒的価値」は主観的な要因が強く、個々人によって感じ方が違うために定量化や客観性が難しく法則化が困難です。

そのため依然として「機能的価値」の方が「情緒的価値」よりも圧倒的に重要となります。

なぜなら製造業の本質は製品そのものにあり、製品を通じた価値創造だからです。

医薬品の一義的価値は治療アウトカムであり、有効性・安全性を基本とする基幹的価値です。

製薬企業様を対象とした製薬企業特化型の「戦略プラン二ング」の社内研修を承っております。

エリア戦略強化、営業力向上のためのプログラムです。

人口の偏在や景気後退による競争環境の激化によって、エリア特性に応じた「戦略プラン二ング」の重要性が高まっています。

縮小市場ではゲーム型競争市場となり、3Cの中でも特に競合を意識した戦略が重要になります。

消費材マーケティングとは異なる、特殊な医薬品ビジネスに即した戦略プランニングの手法を独自に再構築しました(特許取得済)。

受発注データを用いた分析手法により、経験値や感覚に頼った定性的なアプローチではなく、定量データを用いることで客観性と再現性に優れる活動計画を立案することが出来ます。

受発注データを用いた分析結果をディスカッションするワークショップなどインタラクティブな研修プログラムです。

研修コンテンツはご相談に応じてカスタマイズしたものをご用意させていただきます。

まずはお気軽にお問い合わせください。

現代では、大量生産/大量消費の時代は終わり、「いいものを、安く、たくさん作って流通」させても顧客に買ってもらえるとは限らない時代となりました。

また機能的価値を高めようとしても多くの分野で概ね一定の機能を超えており、顧客のニーズは既に満たされているという事実もあります。

そのため「情緒的価値」を高めるためにペルソナやカスタマージャーニー/ペイシェントジャーニーなどを分析し、CX、UXを高める製薬企業が増えています。

これら顧客ニーズの変化は経済成長が大きく影響しています。

しかし現在は世界的な景気後退や少子高齢化時代に突入し、また新しい時代の転換期を迎えています。

厳しい競争環境下では、顧客にフォーカスしただけでは不十分です。

競合に対する視点が重要になります。

3Cの要素をしっかりと見極める必要があります。

売り手と買い手が同じ量と質の情報を持つことで完全競争市場が成立します。

高度な情報を伴う医薬品ビジネスにおいて完全競争市場が成立することは、顧客に対する製薬企業の圧倒的な優位性が失われることを意味します。

では完全競争市場が成立するとどのようなことが起きるでしょうか?

ロジャースの「イノベーター論理」ではイノベーターとアーリーアダプターの16.5%以外は他者の意見を基に意思決定を行うとされています。

つまり他者が良いと言う製品、すなわち一番売れている製品を選択することになります。

もはや情報を比較し自分のメリット・デメリットすら考慮されない可能性があります。

行動変容モデルにおいて全てのフェーズで口コミが有効な理由はここにあります。

完全競争市場で一人勝ちするためにはシェアを高め市場内強者になることです。

医師向け薬剤比較アプリというものが登場しました。

DXによる情報提供推進がこのような状況を招くことは容易に危惧出来たことですが、、ついにこのフェーズに達してしまったかという感じです。

これまでも医薬品情報を収集するためのアプリは存在していましたが、その多くは添付文書アプリなど製品情報を網羅した、主に薬剤師向けに作られたものでした。

医師向け薬剤比較アプリでは、処方薬剤の特徴を確認したり、関連薬効製品や同効薬剤と比較や、実際に処方した医師の口コミを手軽に知ることができます。

この顧客にとって便利なアプリは製薬企業を消滅させる威力を秘めています。

医薬品は高度な情報を伴う製品です。

製薬企業は顧客が知り得ない多くの情報を有することで不完全競争市場を形成し優位性を得ています。

しかし顧客が企業と同等の情報を持ち、自ら選択をするようになる完全競争市場では、競争の2極化が進み、最終的には強者の一人勝ちを招きます。

簡単に情報を得られるということは、極めて限定的な情報のみで薬剤選択を行うということであり、営業活動を無効化してしまいます。

各社が進めてきたDXによる情報提供推進は自らの首を絞めるかもしれません。

勝負では相手がいるいじょう自身がいかに万全であっても勝てるとは限りません。

自身の状態を相手が上回っていれば勝負には負けてしまいます。

つまり勝敗は相手と自分の相対的な関係によって決まるということです。

勝つためには相手を上回るポイントを的確に攻めることです。

裏返せば全体的には劣勢であっても確実に相手の弱点を攻めることが出来れば勝機はあると言えます。

全体市場ではなくニッチ市場やSTPによる市場細分化などを行うのはそのためです。

全体市場からでは顕在化していない相手の弱点が細分化により浮き上がってきます。

さらに自身の弱点を理解していれば防御し、先制攻撃することもできるはずです。

マトリクス分析によって競合製品の脆弱性を把握することで限られた経営原資であっても効率的かつ短期間で成果を上げる事ができるでしょう。

必ず勝つ、絶対に負けないためのたった一つの方法

戦略において重要なことはもちろ勝つことですが、それ以上に重要なことは「絶対に負けない」ことです。

そのためのたった一つの方法は自分より弱い者を攻撃し、強い者との戦いは避けることです。

勝てる可能性はシェア理論を用いることで知ることができます。

偉い人には弱く部下に偉そうにする上司は戦略家と言えるかもしれません。

「顧客は競合より自社製品の方が効果が強いと評価している」

だから競合より自社製品の方が処方を獲得できるはずだと思うかもしれません。

しかし実際には期待した処方インパクトが得られないケースは少なくないのではないでしょうか。

「効果が強い」ことが処方インパクトに結びつくためには、そのことが顧客のニーズを満たす優先要因である必要があります。

競合に対する優越性は有していても顧客のニーズを満たしておらず、3Cにおける自社製品の優越性が成立していません。

差別化を機能させ顧客に認知、定着を促すブランドとブランディングをデザインしなければなりません。

一般消費材と異なり、医薬品ビジネスでは顧客獲得だけではなく、購入意志のない顧客を攻略する必要がある場合が少なくありません。

購入意志のない顧客を購入に向かわせるには、顧客の行動変容を促す必要があります。

顧客の行動変容を促すセールス話法として「SPIN話法」が有名です。

なぜSPIN話法が必要なのかといえば、

1.顧客は自身のニーズを自覚していないことが多いため
2.いきなり商品説明をしても顧客は興味を持たないため

顧客の潜在ニーズを引き出す必要があるからです。

SPIN話法は顧客にさまざまな質問を投げながら意思を確認し、ステップを踏みながらニーズを掘り下げ顕在化していきます。

つまり顧客自身で潜在ニーズを顕在化し、自身の口から言うように誘導するわけです。

SPIN話法の真髄は、自分が話したいことを相手に話させることです。

これはコーチングやカウンセリングの手法とも類似しています。

さてデジタルを活用した顧客とのタッチポイントは顧客の潜在ニーズを顕在化し行動変容を促し、処方インパクトを得ることは出来るでしょうか?

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若い方の中にはPHSを知らない方もいるのではないでしょうか?

PHSは携帯電話が普及する以前は通信端末として圧倒的なシェアを持っていました。

そのPHSも一般向けPHSは2021年に既に終了しており、ビジネス向けPHSテレメタリングも2023年3月末で終了することが正式に決まっています。

今後も病院内にアンテナを設置することでPHSを内線として継続使用することは可能ですが病院側はたった1台の基地局・子機の破損によってスタッフ間通信手段の全面的な見直しを求められる可能性があります。

それを受けてPHSの代替について検討する医療機関も増えてきました。

そもそもPHSが廃止になった経緯にはスマートフォンの普及があるために代替としてスマートフォンに切り替わることは自然のことのように思えます。

しかし実際には今後も構内PHSとして利用を続けると回答した病院は、86.3%となり、8割以上の病院が新しい通信手段の導入に消極的です。

その理由は、

・どのような機器を導入すればいいのか分からない……20.7%

・導入する予算がない……38.6%

・電波干渉の不安がある……28.8%

といった多くの病院で「無線通信機器に対する知識不足」であることが理由です。

これは多くの製薬企業が勧めているDXによる情報提供推進は、情報の非対称性を解消し可能な限り早く必要な情報を医療者に伝達することで、売上機会損失を最小化することにその目的がありますが、逆に情報を与えなければ顧客は適切な判断や意思決定が出来ず、例え不自由であっても従来の製品/サービスを使い続ける可能性があると言えます。

差別化を機能させ顧客の購買行動惹起させるためには、情報そのものが顧客の購買行動を惹起するほどのインパクトを有している必要があります(強者を除く)。

DXによる情報提供を機能させるためのPromotional designが必要です。