医師向け薬剤比較アプリというものが登場しました。

DXによる情報提供推進がこのような状況を招くことは容易に危惧出来たことですが、、ついにこのフェーズに達してしまったかという感じです。

これまでも医薬品情報を収集するためのアプリは存在していましたが、その多くは添付文書アプリなど製品情報を網羅した、主に薬剤師向けに作られたものでした。

医師向け薬剤比較アプリでは、処方薬剤の特徴を確認したり、関連薬効製品や同効薬剤と比較や、実際に処方した医師の口コミを手軽に知ることができます。

この顧客にとって便利なアプリは製薬企業を消滅させる威力を秘めています。

医薬品は高度な情報を伴う製品です。

製薬企業は顧客が知り得ない多くの情報を有することで不完全競争市場を形成し優位性を得ています。

しかし顧客が企業と同等の情報を持ち、自ら選択をするようになる完全競争市場では、競争の2極化が進み、最終的には強者の一人勝ちを招きます。

簡単に情報を得られるということは、極めて限定的な情報のみで薬剤選択を行うということであり、営業活動を無効化してしまいます。

各社が進めてきたDXによる情報提供推進は自らの首を絞めるかもしれません。