マーケティングプランニングには、戦略プランと実行計画の大きく2つのフェーズがあります。

この2つのフェーズにおいて、医薬品ビジネスと消費財ビジネスとでは異なる特徴があります。

医薬品ビジネスでは様々な法規制などにより、競争環境がコモディティ化することで、戦略プランは主にレッドオーシャンマーケティングになります。

一方で消費財ビジネスでは不特定多数に対するマスマーケティングが主体のために自社の強みと顧客のニーズが合致するポジショニングを探すブルーオーシャンマーケティングです。

では医薬品ビジネスにおいて実行計画の上で理解しておくポイントはなんでしょうか?

営業アプローチには「アウトバウンド営業」と「インバウンド営業」の2つがあります。

アウトバウンド営業とは、企業側から顧客にアプローチするプッシュ型営業です。

飛び込み営業だけでなく、テレアポやダイレクトメールなどの手法がこれに当たります。

アウトバウンド営業のメリットは、企業側が顧客を選定し、直接会って商談することで購買意志の無い顧客であっても購入に結びつけることができます。

デメリットは効率が悪くなることや営業担当のセリングスキルにより成約に差が出やすい点などがあります。

インバウンド営業は顧客から企業にアプローチするプル型営業です。

企業が発信するWebサイトやメール配信、セミナーやイベント開催といった施策を打ち、それらを見た顧客からの問い合わせや受注につなげるアプローチ手法です。

インバウンド営業は元々購入意志のある顧客が対象となるため、成約率が高くなる傾向があります。

Amazonや楽天など、インターネット上で商品やサービスの売買を行うECビジネスに代表されるように、MA(マーケティングオートメーション)によって顧客とのコミュニケーションを自動化したり、CRMにより顧客満足度と顧客ロイヤリティの向上を通じて売上拡大と収益向上が図れることが出来るため、多くの営業担当者を必要とせず費用対効果が高くなる傾向にあります。

一方で目に見えない顧客が対象となることから適正なアプローチをするために市場調査や顧客調査などが重要となります。

では医薬品ビジネスではインバウンド、アウトバウンドのどちらのアプローチをするべきでしょうか?

答えは「自社の競争地位と競争優位性によって相対的に決まる」です。 12のマトリクスのフレーム分類に応じて、アプローチを変えることで限られた経営資源を適正に分配することが出来ます。