外部環境分析では、政府の景気政策や企業の動向、顧客(個客)の消費行動、市場構造の変化などの経済活動の情報を収集します。

つまり我々を取り巻く経済の仕組みや,様々な経済活動の仕組みを研究する「経済学」です。

経済学における重要なキーワードは「市場(しじょう、いちば)」です。

またこの市場を形成する重要な概念として「需要と供給」があります。

需要とは、ある製品を買おうとすることであり、供給とは、ある製品を売ろうとすることです。

市場規模とはある特定の市場で取引される総金額や売上高、または出荷額のことです。

市場規模の変化をみることで、業界全体の需要が伸びているのか、縮小傾向にあるのかを知ることができます。

モノ・サービスの価格は、理論的には需要と供給が一致する相対的な関係で決まります。

市場経済においては、価格の上がり下がりによって需要量と供給量が調整されます。

一般的には、製品の価格が上昇すると需要量は減少し、逆に価格が上昇すると供給量は増加します。

そして、需要量が供給量よりも大きい場合には価格は上昇し、供給量が需要量より大きい場合には価格は下落するというわけです。

しかし医薬品メーカーは必要とされる医薬品の全量を供給することが義務付けられており、価格の如何によって生産量を調整することは出来ません。

価格による競争優位性を得ることが出来ないため、医薬品ビジネスでは市場規模と競合の動向が非常に重要になってきます。

市場動向分析は、需要の動向、供給の動向、さらに、市場競争力の動向を判断するために行います。

例えば市場ライフサイクルが導入期から成長期のように市場規模が大きく伸びており、同時に自社の売上が好調な場合、売上が伸びているからといって必ずしも自社製品の競争優位性が高いとは言えません。

市場規模の伸び率と自社の売上売手の伸び率を比較した場合、市場規模の伸び率のほうが大きければ相対的に自社のシェアが下がるからです(Market evolution index)。

逆に市場ライフサイクルが成熟期から衰退期のように市場規模が縮小傾向にある場合では、市場の縮小に伴って自社の売上も下がることが予想されます。

特に縮小市場では限られたパイの奪い合い、ゼロサムゲームになることから競合他社に対して如何にして競争優位性を築き維持するかが非常に重要なポイントとなります。

市場と顧客、そして競合、それらの影響を常に受ける自社の3Cです。

そして基本戦略は「差別化」と「集中化」です。