MRの人員削減には既に慣れてしまった感もあり、当初のインパクトは感じない方も多いかもしれません。
「MR数調査2022年版」の報告では、前年比6.6%減となり、これによりMR総数は5万人を切ることが予想されます。
多くの製薬企業がMRの人員削減を進める理由は生産性です。
売上高に見合った人事数に調整するためです。
しかし人員を削減することでそれまでと比べて業務量そのものが低下する可能性があります。
そうなれば再び売上高が減少し、売上高に見合う人員数にするために繰り返し削減を行うようになります。
適正なMR数とは、売上高に合わせた人員数にするべきか、あるいは売上高を最高値にするための人員数にするべきでしょうか?
利益は決して売上を上回ることはありません。
売上高が向上すれば同じ人員数でも生産性を高めることが出来ます。
戦略において人員数は戦力です。
競合に勝つためには戦力で競合を上回る必要があります。
特に医薬品ビジネスのように同一化が進み差別化が困難なビジネス環境においては戦力で競合を上回ることは勝つための絶対条件です。
人事機能の中に「戦略としての人事」があります。
経営戦略を実現するために、経営資源の「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を最大限活用するマネジメントを戦略人事(Strategic Human Resources Management)と言います。
あなたの会社で行われる人員削減は戦略人事に則って行われているでしょうか?
もし繰り返し人員削減が行われているならば戦略人事ではないかもしれません。
誰のための利益追求か?
株式会社であればストックホルダーの利益が優先でしょう。