縮小市場では市場占有率を高めることが重要であり、全体市場におけるシェアで1位になることはゴールです。

しかし1位になっただけでは市場における競争優位性までは判断することは出来ません。

一例を上げてみました。

競合製品①は自社製品に対して3%シェア値で上回る市場における1位のポジションです。

では1位のポジションではあるが本当に市場における安定的な強者でなのかを検討するためにマトリクス分析を行ってみました。

競合製品①と自社製品の、Aa、Ab、Ba、のカバー率および市場金額構成比は両者ともに同等です。

一方でc行のAc、Bc、Ccの数は自社製品は85に対して競合製品①が101と上回っており、カバー率および売上への寄与率も高くなっています。

c行のフレームは競合優位であり、そのため競合製品①は競争劣位の非常に脆弱は市場で売上を得ていると言うことを意味しています。

つまり競合からの攻略に陥落しやすく、一瞬にして売上を失う危険性があると言うことです。

自社製品は同等のカバー率でありながら売上金額構成比において競合製品①を上回っており、むしろ全体市場でのシェア値は2位であっても安定性では自社製品の方が競合製品①よりも高いと言えます。

自社製品における課題は、未取引顧客数(シェア値5%以下)であるd行のAd、Bd、Cdの数は57、カバー率28.9%と大きく、売上金額構成比は0.8%と寄与率は非常に低くなっていることです。

このフレームにかけるリソースはAbフレームに転嫁した方が良いでしょう。

絶対的なシェア値も重要ですが、マトリクス分析からいかに競争優位性に裏付けられた安定的なシェア値であるのかを知る必要があります。