VUCAの時代のスピード感のあるデータ駆動型意思決定に求められる、実際の結果を基にして市場の短期的な動きを「理解」する逆推論的アプローチを実現するためには、以下の要素を含んだデータが必要になります。

  1. 市場/顧客と競合を含む3C情報
  2. 連続的な更新とリアルタイムな情報
  3. 予め定量化された競争市場データ

一般的にこのような特性を持ったデータを入手することは困難であり、アンケート調査やローラー調査、あるいはビッグデータなどの過去のデータを基にして市場の中長期的な動向を「予測」する純推論的アプローチをとらざるを得ません。

しかし、医薬品業界には、施設/顧客単位で市場環境を理解することが出来る、医薬品販売データベースが存在しており、これを用いれば顧客の治療方針や処方傾向や市場規模、市場の成長性、競合他社との競争地位および競争優位性を知ることが出来ます。

それにより、データ収集から分析、戦略策定、リソースの適正配分や実行計画に至るプロセスにおいて、スピード感があり、かつ柔軟なデータ駆動型の意思決定が可能になります。

医薬品販売データベースを用いることで、戦略の具体性が高まり、実行可能性が向上し、
即座に問題に対処し、機会を捉えることができるうえに、状況の変化に応じた適応戦略を容易に策定することが出来ます。

VUCA時代において、スピード感は競争優位のための最優先事項です。孫子の兵法が説く、「先んずれば人を制す」、先手必勝の原則です。

しかし、医薬品販売データベースのリスクはその透明性にあります。すなわち、自社だけではなく、競合他社も同じく医薬品販売データベースを入手することが出来ることから、自社独自の競争優位性を維持することが難しくなることに加えて、適切な利用が出来ない場合、競合他社が競争優位性を得る危険性があるからです。

医薬品販売データベースは決して結果を確認するためだけのものではありません、競争優位性を築くための重要な武器と言えます。