薬価差の在り方に関する議論が活発化してきました。

焦点の一つは「医療機関や薬局の経営原資の一部」となっている点です。

元来、市場経済では需要と供給のバランスで決まる価格においても公的な薬価制度により保護されています。

製品価格は需要と供給バランスで変動し、購入には個人の経済水準などが影響しますが、医薬品では国民皆保険により経済的な理由に依存せず医薬品を受け取ることが出来ます。

また医薬品の価格は薬価制度による公定価格が定められており、価格競争による薄利多売によって利益確保が困難になることもありません。

そしてこのような独占市場の問題点は認識されつつも容認されています。

なぜなら新薬開発には莫大な費用と時間がかかるために、一定期間の独占的な利益を得ることを容認しなければ開発資金の回収が見込めなくなることから製薬会社が新薬開発に消極的になり、治療に必要な画期的新薬が供給されなくなることを回避するためです。

さらに循環的に薬価が低下することで、最終的に国民負担の軽減につながっていることも事実です。

どうやるかは目的を実現するための「手段」です。

厚生労働省の有識者検討会でどのような話し合いが行われるかは分かりませんが、「医薬品の迅速・安定供給の実現」という目的を見失わないようにしなければなりませんね。