企業経営において、「利益を出すこと」は経済的合理性や株主価値の観点から当然の要請です。利益は純資産を増加させ、株価を上昇させ、企業価値を高めます。資本市場では「儲かっている会社」が評価される。これは紛れもない事実です。
しかし、これは市場が成長していることが前提の話。現在のように人口減少や経済の停滞により、市場が構造的に縮小している局面では、話は大きく変わります。
売上=シェアという視点が求められる
市場が縮小するということは、「パイが小さくなっていく」ということです。全体の成長が見込めない状況では、企業が売上を維持・拡大するためには、競合からシェアを奪うしかありません。
このようなゼロサムゲームでは、「利益率」よりも「売上=市場シェア」の方が、将来の生存可能性を左右する重要な指標となります。
すなわち、利益率を犠牲にしてでも売上を取りに行く戦略が、長期的に合理的なのです。
戦力量を削って利益を守る愚
ところが、昨今よく見られるのが「利益率を維持するための人員削減」です。これは一見すると効率的で財務的に健全な判断に見えますが、戦力量の低下=営業力・提案力・顧客接点の減少を意味し、やがて売上の減少を招きます。
特に、営業現場の人員削減はエリア放棄や顧客喪失に直結しやすく、市場シェアを明け渡す結果となりかねません。
縮小市場では逆効果の戦略
市場が伸びている時期であれば、「利益率向上のための合理化」は通用します。しかし、縮小市場では逆です。
人員削減で戦力を削ぎ、売上が減少し、シェアを失えば、企業の競争力そのものが揺らぎます。つまり、「利益率向上のための人員削減」は、短期的には数字が良く見えても、長期的には衰退に向かうリスクが極めて高いのです。
生き残る企業の条件
いま求められているのは、「利益の最大化」ではなく、「戦略的売上の最大化」。
そしてそれを実現するための「戦力量の最適配分」です。
- 利益率は結果であって、目的ではない
- 売上(シェア)は戦略的に確保しなければ、企業の土台が失われる
- 人員削減は最後の手段であり、競争力維持のための投資こそが必要
縮小市場では、あえて利益率を犠牲にしてでも、守るべきものがあるという視点が不可欠です。
DXS Stratify®が導く「勝つための戦略」
こうした市場縮小時代における戦略思考を支えるのが、DXS Stratify®です。
DXS Stratify®は、ランチェスターの法則に基づき、シェア値によって競争環境を可視化し、戦力量を定量的に評価することで、「どこで・誰と・どう戦うべきか」という意思決定を支援します。
さらに、人員削減を行う際にも、競争優位性を維持するために必要な最低限の戦力量を数値化し、適正なターゲティングとリソース配分を実現します。
単なるコストカットではなく、「勝ち残るための削減」かどうかを見極めるための、定量的な判断軸を提供するのです。
利益率よりも、シェアと戦力による競争優位性の獲得。
それを守るための意思決定ツールとして、DXS Stratify®は市場縮小時代の企業経営を支えます。