生成AIは、もはや「使っているか・いないか」を問う段階を終えました。2025年現在、もはや大切な問いは、AIをどう分類し、どう使い分けているかです。にもかかわらず、多くの企業ではChatGPTに代表されるチャット型AIを「万能AI」と誤解し、その延長線上で投資判断をしてしまっています。

しかしAIは、役割の異なる複数の層から成り立つ“システム”です。これを整理しないまま活用すると、「考えてはくれるが、何も終わらないAI」に振り回されることになります。

まず押さえるべき、AIの3分類

現在のAIは、大きく以下の3タイプに分けると理解しやすくなります。

基盤モデルは、言語処理や推論の基礎体力です。これ単体では価値を生みませんが、すべてのAIの土台になります。
チャット型AIは、思考を補助し、壁打ち相手として優秀です。しかし主導権は常に人にあり、指示を止めれば動きも止まります。

一方、AIエージェントは根本的に異なります。目標を与えると、必要な情報を探し、手順を組み立て、外部ツールを使いながらタスクを完遂します。ここでは人は「操作する存在」ではなく、「目的を定義する存在」になります。

なぜ多くのAI活用が失敗するのか

失敗の最大要因は、「思考支援」と「実行」を同一視している点です。チャット型AIにどれだけ高度な指示を与えても、最終的な判断・操作・実行は人間が担う必要があります。その結果、業務は速く“考えられる”ようになっても、業務量そのものは減らないのです。

AIエージェントの価値は、単なる効率化ではありません。
業務構造そのものを再設計できる点にあります。

経営に求められる新しい問い

これからのAI戦略で問われるのは、

  • 人が考えるべき領域はどこか
  • AIに任せきるべき領域はどこか
  • その境界を誰がどう設計するのか

という、極めて経営的な問いです。

AI時代の競争力とは、最新ツールの有無ではありません。
AIを役割で分解し、組織と業務にどう配置するかという設計力です。
「AIを導入した企業」ではなく、「AIを構造的に使い分けている企業」だけが、次の段階に進めるでしょう。