少子高齢化社会によって、さまざまな差別化戦略や経営効率化の対策をひねり出さなければ、企業の生き残りが難しくなっています。

とはいえ、過去に例のない、誰も思いつかなかったようなアイデアを生み出したり、それらを全社戦略として導入を決定することは容易ではありません。

そのような状況下では模倣する者が多く出現します。

模倣とはいわゆる「ものまね」です。

模倣は、他社の動向からアイデアを拝借するので、発想力が不要で誰にでもできます。

模倣のメリットは、何と言っても「ローリスク」という点です。

前例があるので見通しがつき、成功事例をまねすれば、それなりの成果を上げやすいのです。

そのため導入障壁が低くなり、より一層促進されることになります。

一方でローリスクの弱点は「ローリターン」ということです。

既に市場内で先行している前例を超えることは至難の業です。

市場が拡大するレース型競争市場ではローリスク・ローリターンでの成功が可能ですが、市場が成熟期から衰退期へ移行し始めると途端に立脚点を失い、厳しい市場競争の中では存続が難しくなります。

とはいえハイリスク・ハイリターンを選択するためにはある一定以上の自信/確信がなければなりません。

不確実性の中で自信/確信を得られることは限りなくゼロに近く、過去の経験や感覚に頼った選択は無謀な試みです。

弊社が提唱するマトリクス分析は、特定の市場に集中化戦略を行い、経営資源を集中投下することで市場内強者となり、ドミナント的に着実にシェアを積み重ねることで確実に勝ちあがることが出来るため、成熟期から衰退期におけるローリスク・ハイターンな戦略と言えます。

ローリスクでハイリターンを得られることは通常は考えにくいことですが、ではハイリスク・ハイリターンを選択する条件とはどのようなものでしょうか。

それは自信/確信に基づいた意思決定です。

自分自身の思考や知覚などを認知し主観的に評価する能力を「メタ認知」といいます。

急速にデジタルトランスフォーメーションの進む現代社会において人工知能/機械学習アルゴリズムの構築を進めるためにヒトのメタ認知と内省の脳神経メカニズムの解明が期待されており、このような内省におけるメタ認知の統合的なプロセスは近年非常に注目されています。

メタ認知の中でも、特に自信に基づいた内省的判断はヒトの理性や想像力の基本的な能力といわれています。

例えば不確かな情報から何かを判断するには、過去の記憶の情報とそれぞれの確信度を適切に評価し組み合わせることで意思決定をする必要があります。

サルを用いた実験では、過去の経験に基づき、結果への自信・確信度が高い場合にハイリスク・ハイリターンを多く選ぶことが確かめられています。

昨今、多くの製薬企業が推進するカスタマーセントリックマーケティングは顧客の細かなニーズに対応し、売上高を維持/最大化する取り組みです。

しかしその反面、マーケティングコストは増加することになり、ハイリスク・ハイリターンな戦略と言えます。

さらに差別化を狙ったこれらの戦略は、既に多くの競合他社が模倣をしていることから同一化が進み、既に競争優位性を失っているといえるでしょう。

同一化で得をするのは市場内強者だけです。

顧客とのタッチポイント確保のために、製薬各社がこぞって導入し進めているDXによる情報提供ですが、各社右に倣えで推奨したため差別化が機能せず同一化を促進し、期待したい処方インパクトが得られないのが現状ではないでしょうか。

その中でも得をする者もいます。

それは市場内強者です。

強者は非差別化戦略をとれるのでコモディティ化することは好都合です。

皮肉なことに「敵に塩を送る」それも弱者が強者の手助けをすることになっているようです。

IT技術の向上によるマーケティングオートメーション進歩が、顧客レベルから個客レベルにまで最適化を可能にすることで、これまでのマーケティングプロセスは不要になるかもしれません。

その一方で、既に顕在化した個客一人ひとりのニーズに合わせた粒度の小さなサービスを提供するため、顧客の潜在的なニーズを掘り起こし、新たな市場を開拓することが出来ません。

VUCA(不確実性)の時代の未来は、これまでの延長線上にないため、過去の経験に基づいた予測は不可能です。

そもそも未来を予測することは誰にも出来ません。

出来ることは2つです。

常に変化を捉え細かくアジャストしていくか、自ら未来を創り出すかの2つです。

つまり「個客最適化」か「新市場開拓」です。

未来を過去の延長線上に置くのではなく、未来のビジョンへのロードマップを描けば、不確実性の時代にふりまわされることない戦略を立てることが出来ます。

The best way to predict the future is to create it.

(未来を予測する最良の方法は、未来を創りだすことだ) エイブラハム・リンカーン

Matrix analysis can be applied regardless of business type/industry

戦略の原理原則はあらゆる業種/業界で応用が可能です。

戦略において重要な要素は顧客/市場と競合、そして自社の3Cです。

これら3つのビジネスプレイヤーの定量データがあればマーケットシェア理論による数式を用いたマトリクス分析が可能です。

Rule and principle of Strategy can be applied to any type of business/industry.

The key elements in strategy are customers/markets, competition, and company as the 3Cs .

If you have quantitative data of these three business players, you can implement matrix analysis using formulas based on market share theory.

受発注データとマトリクス分析ツールがあればこれらの分析が可能です。

さらにワンシートで視覚的に把握することができます。

定量化されているので共有性、客観性そして再現性に優れます。

また更新頻度の高い受発注データを用いることで、常に最新の戦略にアップデートすることが可能です。

Facebookグループ、製薬ビジネス研究会様で登壇の機会を頂戴致しました。

セミナーでは戦略展開が必要なその背景と、特許取得をした分析ツールを用いて市場細分化による分析、戦略立案、トラキングの手法をご紹介させていただきます。

ご興味のある方は製薬ビジネスまでお問い合わせください。

*後日Youtubeによるオンデマンド配信も予定しております

デマンドジェネレーションとは、潜在顧客の中からWebサイトや各種広告媒体などによって発掘した獲得した見込み客(リード)に対して、それぞれの購入意欲にあわせたメール送信やWeb面談、Web講演会などのフォローアップをおこない、処方意欲の高いホットリードを育成する段階的な顧客の行動変容を促すプロセスです。

企業の情報を一方的に発信するだけでは「デマンド=需要を創出する」ことは出来ません。

マトリックスフレームでいえば、デマンドジェネレーションによってc行、d行の顧客から見込み顧客を発掘し、MRによるフォローアップにより処方獲得につなげる一連のプロセスが必要です。

しかしKPIなどの回数目標で評価されるMRは顧客との関係構築が既に出来ているa行の顧客に対してリソースを配分する傾向があるのではないでしょうか?

既に関係構築が成立している顧客に対するフォローアップは成熟期から衰退期における顧客維持には必要な営業活動ですが、導入期から成長期においては新規顧客の獲得が機能せず、市場を拡大することに失敗してしまいます。

本来医薬品ビジネスの場合は、消費材マーケティングのマスマーケティングとは異なりターゲットマーケティングが主体のため、MRの顧客攻略による新規顧客獲得活動は欠かすことが出来ません。

一連のプロセスの役割分担とそれぞれが正しく機能しているか検証してみましょう。

私が顧問をさせていただいている医療法人で、見込み患者数について意見が分かれました。

楽観的な予想に基づいて多くの初期費用を投入してしまう危険性があるためモデル式を作成し、楽観的予想をした方に各変数を答えてもらいました。

モデル式には予め計算式が設定してあるので、変数を入力すれば推定患者と売上予測金額が算出されるようになっています。

結果は大幅に予測値を下回り上振れ予測をした方も現実に気づいたようです。

このような思い込みをアンコンシャスバイアスと言います。

アンコンシャス・バイアスは 、 「無意識のうちに“こうだ”と思う」 、日常的に誰にでもあるものです。

しかし感覚的な思い込みで双方が議論を交わしても正確な答えにたどり着くことが出来ません。

定量化および視覚化することで客観性がうまれ正しく判断することが出来るのです。

デジタル技術の進歩により、市場/顧客情報などのビッグデータを基にした、より顧客ニーズに合致した価値提供が出来るようになりました。

顧客レベルから個客レベルにまで最適化することが出来るようになれば、これまでのマーケティングプロセスは不要になるかもしれません。

その一方で、既に顕在化した顧客ニーズに合わせた粒度の小さなサービスを提供するため、競合他社とのコモディティ化により差別化が図りづらく、競争優位性を得ることが難しくなります。

過去の行動を分析することで将来の行動を予測する確率は上がるかもしれませんが、一人ひとりの顧客個人の嗜好性を理解することは現状では不可能です。

消費材マーケティングではインターネット上のECサイトで商品を販売することが成立するため、実際に個客一人ひとりに営業を行うことは多くありません。

医薬品のような個客一人ひとりに営業を行うターゲットマーケティングおいてはその必要性と重要性は消費材マーケティングとは比較になりません。

製薬企業において最も顧客に近いのはMRであり、顧客中心主義の成功のカギは対面のコミュニケーションの重要性をもっと理解することかもしれません。

https://thefocus-on.com/okazaki_michio/