ミクス誌が提供する、医薬ランキング【2024年版】INDEXから、MR数と売上と生産性に関する分析を行いました。
製薬企業では近年、「生産性向上」の名のもとにMR(医薬情報担当者)を中心とした人員削減が加速しています。背景には人件費の削減や、デジタル活用による効率化への期待がありますが、果たしてこの戦略は正解だったのか、検証してみましょう。
MR数の売上への影響
MR数と売上高の間にはピアソン相関係数0.831という非常に強い正の相関が確認されており、MR数を減らせば売上高も減少する可能性が高いことがわかりました。売上高を支えているのは単なる製品力ではなく、MRの活動そのものだという事実は、改めて重視されるべきです。
一方で、「ではMRを削減して、残ったMRの生産性を高めればよい」と考えるのも早計です。実際に、MR数と1人当たり生産性(=売上高÷MR数)にはほとんど相関が見られず、ピアソン相関係数はわずか-0.041でした。つまり、MR数を減らしたからといって、生産性が自動的に上がることはないのです。むしろ売上が下がれば、1人当たり生産性も一緒に下がる危険性すらあるのです。
この構造は、「削減しても生産性は上がらないが、売上は減少する」という、企業にとって極めて矛盾した状況を生んでいます。
こうしたジレンマから脱却するためには、「数の調整」ではなく、「質の向上」と「戦略の再構築」に舵を切る必要があります。
生産性とは、「人数を減らす」ことでなく、「何にリソースを集中させるか」の問題です。医薬品が差別化しづらい成熟市場においては、MRの数ではなく、どこに・どう配置するか、そしてどのような戦い方を選ぶか、戦略的思考を持てるかが勝負の分かれ目となるでしょう。
*これは、時点間の変化を追跡する時系列データではなく、ある時点でのスナップショットデータによる分析結果であり、時間的な遅れ(ラグ効果)を考慮した分析は行われておりません。

S.I Lab株式会社では、特許を取得した独自のアルゴリズムによる必要人員数の試算を行っています。
