― 営業戦略に「地政学」の発想を ―

営業戦略に“地政学”という言葉を使うと少し大げさに聞こえるかもしれません。しかし、地政学とは本来「地理的条件と力のバランスが、戦略的判断にどう影響を与えるか」を考える学問です。これはビジネスにおいても非常に有効な視点であり、特に競争が激しく、差別化が難しい製薬業界においては、まさに必要とされる発想ではないでしょうか。

DXS Stratify®は、この“営業地政学”という考え方を、単なる比喩ではなく、数理モデルによって実践レベルに落とし込んだアプリケーションです。医薬品販売データベースをもとに、各顧客(病院やクリニック)を「市場規模 × 競争地位 × 競争優位性」の3軸で分析し、戦略的に価値のあるターゲットがどこにあるのかを“地図”として描き出します。

この地図によって見えるのは、リソースを集中すべき場所と、撤退や維持で十分な場所との明確な境界です。つまり、勝つべき市場を選び、限られた営業力を効果的に配置する“戦力配分の最適解”を導くことができるのです。

さらに、DXS Stratify®の強みは、静的分析で終わらないことです。KPI設計とCRMを連動させることで、実行フェーズの可視化と管理までをサポートし、PDCAに頼らない新しい意思決定ループ「SPDAループ」の構築を可能にします。

従来のPDCAは、ある程度予測可能でルーチン化された業務には有効ですが、不確実性の高い環境や複雑な市場状況では限界があります。そこで重要なのが、**S(戦略立案)→P(行動設計)→D(実行)→A(分析)**という一連のループです。
このSPDAループは、変化する競争環境に対して柔軟に対応しながら、現場の行動を戦略と一貫性を持って設計・実行・評価するための仕組みです。

そして最後のA(分析)では、CRMに蓄積された活動データと成果データをAIで動的に分析し、成功要因(KSF)を可視化。属人的でブラックボックス化しやすい“勝ち筋”を、再現可能な知に変えていきます。

感覚ではなく、戦略で動く営業へ。
単なるトラッキングにとどまるPDCAではなく、不確実性に適応しながら、成果を導くためのSPDAループの実装こそが、これからの営業組織に求められる進化です。

今こそ、“地図なき営業”から、“戦う地図”を持つ営業へと変革する時です。