製薬業界では、これまで「努力すれば成果が出る」という前提のもとで、セールスやマーケティング活動が展開されてきました。しかし、制度に強く依存するビジネス構造の中では、努力が必ずしも報われるとは限らない現実に直面しています。そのため、社員一人ひとりが、自らの存在意義に疑問を抱き始める状況が生まれています。


存在意義の危機は、行動の質と組織の活力に直接的な影響を与えます。
「自分たちが本当に必要とされているのか」という不安は、目に見えない形でモチベーションを低下させ、無駄な施策の量産や、過剰な自己正当化行動へとつながります。


組織としては前向きな施策を打っているつもりでも、実際には成果に結びつかない「自家発電型の仕事」が増えていくのです。
このような状況下では、施策の数を増やしても効果は出にくくなります。
なぜなら、施策そのものが本質的な課題解決ではなく、「何かをしている自分たち」を守るために行われているからです。

本来ならリターンを見込めない市場へのリソース投入や、効果検証を伴わない施策の連発は、かえって組織の疲弊を招くだけです。
さらに深刻なのは、この自己崩壊が静かに進行してしまう点です。
表面上は忙しく業務が回っているように見えても、組織の内部では「何のために働いているのか」という根源的な問いに答えられない空気が広がっていきます。


それは、結果として優秀な人材の流出や、組織全体の競争力低下を招くリスクに直結します。
この悪循環を断ち切るためには、「何をすれば成果に直結するのか」を、組織として冷静に再定義する必要があります。努力を可視化するだけではなく、努力の方向性が正しいか、効果が得られるかを戦略的に検証し続けることが求められるのです。


存在意義の危機は、放置すれば組織全体を静かに蝕みます。しかし、正しい戦略と共通認識のもとで行動できれば、逆に大きな飛躍のきっかけにもなり得ます。だからこそ、今、私たちは存在意義を再確認し、行動の質を根本から問い直すべき時に来ているのです。